2024年11月21日( 木 )

中国の新しいトレンドワード「新たな質の生産力」(後)

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 「新たな質の生産力」は、中国の経済界と産業界で広く注目される新しい「トレンドワード」で、ますます多くの人に知られるようになっている。今年の政府活動報告で、2024年の政府活動任務における最初の項目として、現代化産業体系の構築を大いに推し進め、新たな質の生産力の発展を加速させることが打ち出された。

「新たな質の生産力」とは何か?

 いかにして新たな質の生産力を発展させるか?今年の政府活動報告で、以下のような主要措置が打ち出された。

▽製造業の重点産業チェーンの質の高い発展行動を実施
▽国家新型工業化モデル区を設立
▽国際的影響力のある「メイド・イン・チャイナ」ブランドを構築
▽インテリジェント・コネクテッド新エネルギー車などの産業における競争優位性を強化・拡大
▽量子技術やライフサイエンスなど新たな競争分野を開拓
▽「AI+」行動を展開
▽国規模の計算資源システムの整備を加速

深セン イメージ    現在、中国経済はすでに急速な成長の段階から質の高い発展の段階へと移行し、発展方式も要素投入主導型からイノベーション主導型へと転換している。「新たな質の生産力の発展加速」に牽引され、中国経済はイノベーションをエンジンとし、発展の質の高度化を目指している。「新たな質の生産力」は中国の経済界と産業界で広く注目される新しい「トレンドワード」で、ますます多くの人に知られるようになっている。「新たな質の生産力の発展加速」に牽引され、中国経済はイノベーションをエンジンとし、発展の質の高度化実現を目指している。

 実践から見ると、新たな質の生産力はここ数年、中国各地で加速度的に発展している。深センは世界的に重要な影響力を持つ産業科学技術イノベーション中心地だ。今や深センの通信基地局の生産量は世界の半分、生命情報・サポート医療機器の生産量は世界の2割、コンシューマードローンの生産量は世界の7割を占めている。世界のスマートフォン7台中1台は深セン製だ。

 安徽省合肥市には有名な「量子大通り」があり、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」と世界初の光量子コンピューターが誕生した。同市はこの3、4年でさらに航空・宇宙情報産業という新たな事業を効率的に展開した。北京市はブレイン・マシン・インターフェース産業に全面的に取り組み、上海市はメタバース重要技術のブレイクスルーに注力し、成都市は世界最先端の核融合研究施設を初期的に形成した。イノベーション駆動発展戦略の持続的な深化にともない、イノベーションはすでに中国の多くの企業の自覚的な行動になっている。世界知的所有権機関が発表した「グローバル・イノベーション・インデックス」(GII)2023年版によると、中国は12位にランクインし、うち6つの指標で世界一になっている。

 これまでの科学技術による産業の変革と異なり、21世紀に入った科学技術イノベーションは多くの新興国・発展途上国に追い越しの貴重なチャンスをもたらした。

 「中国は先端技術を導入するイノベーションの地になりつつあると実感している」。シーメンスの肖松グローバルシニアバイスプレジデントは自身の体験を踏まえてこう話す。ロシア文化基金の公式サイトは記事で、「中国は世界の組立作業場から、世界のハイテク部品の組立工場に転換中だ」との見方を示した。

(了)


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