アビスパ、難敵広島とドロー 福岡1-1広島
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は13日、ホームのベスト電器スタジアムにサンフレッチェ広島を迎えて第8節の試合を行った。
広島はこの試合まで4勝0敗3引き分けで2位と絶好調。チームを率いて3年目のミヒャエル・スキッベ監督は、ドイツやトルコのクラブチームやギリシャ代表チームの監督を務め、実績十分の名監督だ。広島でもリーグ戦では2年連続3位、2022年にはルヴァンカップ優勝と、確かな成果を残している。
スキッベ監督が広島で築いたのは、派手さはないものの、個々の選手の高いテクニックと献身性に支えられた、攻守に妥協のないサッカー。あえていえば、長谷部アビスパが目指す理想形の1つのかたちだといえるだろう。
似た部分のある相手だからこそ、対戦成績は広島有利。21年以降で見ると、アビスパの1勝5敗2引き分けと大きく負け越している。しかし、相性の悪い相手だからといって、勝ちを譲るわけにはいかない。まず気を吐いたのが、イランからやってきたスーパーエースFWシャハブ・ザヘディだ。11分、ロングボールの競り合いからボールを奪うと、FW岩崎悠人がFWザヘディにパス。これを受けたザヘディが相手DFを身体で制しながら左足を振り抜くと、強烈なロングシュートが広島ゴールを襲うが、これは日本代表GK大迫敬介の正面を突いてしまう。
そして22分。DF湯澤聖人が右サイドでドリブルを仕掛け、マークについた広島MF東俊希を一気に抜き去ると、倒れこみながらのクロスボールをゴール前に送る。ファーサイドに飛んだこのクロスに高い打点で合わせ、矢のようなヘディングシュートを叩き込んだのはFWザヘディだった。アビスパが苦手広島に対し、見事に先制点を挙げた。
だが、これで収まらないのが広島の強さ。わずか3分後の25分、広島のコーナーキック。MF満田誠のキックを、ゴール前の密集地帯に後ろから走りこんできた元日本代表DF佐々木翔が頭で合わせてヘディング。GK村上昌謙のセービングはわずかにおよばず、広島が同点に追いついた。
この後も両チームの選手たちが高い強度でぶつかり合う激しいゲームが続く。鋭いパス回しと高いテクニックでゴールに迫る広島に、アビスパは球際で身体を張った守備で対抗する。後半に入ると徐々に広島がプレースピードで圧倒する場面が増え、アビスパ側はファウルを冒してのディフェンスをせざるを得ない状況に陥った。この試合、アビスパはイエローカードを6枚も受ける結果となった。決してほめられることではないが、強豪広島から勝ち点を得るための執念を感じさせる記録といえるだろう。
試合は1-1で終了。相性の悪い相手に対し、最低限の結果と言っていいだろう。試合終了後は、かつてアビスパに在籍した広島MF松本泰志、DF志知孝明がアビスパの選手・スタッフとなごやかに言葉を交わす場面も見られた。
次の試合は17日(水)、アウェーのサンプロアルウィンで行われるルヴァンカップ2回戦・松本山雅(J3)戦。今シーズンからレギュレーションが変わり、Jリーグ参加全クラブによるトーナメント戦となったルヴァンカップ。前年度チャンピオンとして1回戦はシードとなったアビスパにとって初戦となるこの試合、「連覇」に向けてまずは落とせない一戦だ。
【深水 央】
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