欧米人旅行者が押し寄せる高千穂町~(株)リョウ・コーポレーション、宿泊事業に新規参入へ
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国土交通省九州運輸局によれば、今年2月における九州への外国人入国者数(速報値、船舶観光上陸者数を除く)は、前年同月比69.3%増の34万1,619人となり、通常入国者数としては23年10月以降5カ月連続で30万人を超えた。
2月の数値はこれまでのピークだった18年2月の31万2,460人を約3万人上回るもの。それ以降、現在までこの勢いは確実に継続しているものと見られる。
そうした状況のなかで、同じ九州であっても来訪する外国人の国籍や、使う金額に違いが生じていると指摘するのが、(株)リョウ・コーポレーション(福岡市南区)の黒木遼太氏だ。同社は、大分・湯布院を中心に主に中長期滞在が可能な宿泊施設(プライベートヴィラ、貸別荘)を57棟運営する事業者である。
その象徴的な場所が宮崎県の高千穂町。「コロナ禍後に入国制限が撤廃されて以降、高千穂に滞在する外国人旅行者が急激に増え、現地の宿泊施設は常に満室」だという。高千穂町は九州の代表的パワースポットとして知名度が高いが、これまでは滞在する場所ではなく通過地としての位置づけが強かった。
しかし、「高千穂神社や天岩戸神社など、日本神話にゆかりのある神社が10数カ所あり、それらを目当てにする欧米人を中心とした人たちが押し寄せ、一定期間、じっくりと滞在するようになった」(黒木氏)のだという。
ツインルームで1泊3万5,000円が最低価格のホテルや、食事付きで1人7万5,000円の旅館もあり、閑散期を除く3月から12月にはすべての宿泊施設が満室だ。そうした状況を受け、同社でも同町における宿泊事業に参入。5月には3カ所の1棟まるごと貸し切りのヴィラ(4~17人宿泊)をオープンさせ、中期的には10カ所まで増やす計画だとしている。
一方、同社が湯布院で運営しているヴィラは韓国や台湾、香港、タイなどアジアからの観光客がメインで平均宿泊単価約1万2,000円だという。しかし、こちらも宿泊施設は不足気味であり、今後もニーズの拡大が見込まれるため、同社では現在新規に6棟のヴィラ開設へ動いている。
黒木氏は「円安の影響で、外国人観光客は日本における食費について各国のそれに比べて3分の1から半額のイメージをもっている。そのため、食事は宿泊施設ではなく、外食や自炊で楽しみたいというニーズが強まっている」とし、そうした動きを追い風に今後もヴィラ事業の拡大を図る考えだ。
<COMPANY INFORMATION>
(株)リョウ・コーポレーション
所在地 :大分県由布市湯布院町川上3734-1
TEL :0977-84-5050
(営業時間 午前9時~午後6時)
URL :https://yufuin-bnb.com/
MAIL:yufuin.bnb@gmail.com
運営するほとんどの宿泊施設では、ICTの採用によりチェックイン、チェックアウトをタブレットで完結できる。事前に送られてきたQRコードをタブレットにかざすと、玄関キーのパスコードが表示されグループで共有することもできる。
【田中 直輝】
法人名
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