2024年11月21日( 木 )

バンコクモーターショー、中国勢と日本勢の競争

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 「アジアのデトロイト」と呼ばれるタイの自動車市場で勝つため、中国と日本の自動車メーカーは開催中の「バンコク国際モーターショー」に登場し、豪華な展示ブースで競争を繰り広げている。ロイター通信は、「EV販売の好調により、中国自動車メーカーが本モーターショーの注目の焦点になり、長期的にタイの自動車市場を主導してきた日系大手に厳しい挑戦をもたらしている」と伝えた。

 長期的にタイの自動車業界で働く王氏は3月28日、「環球時報」の取材で、「バンコクモーターショーは5年前は日本ブランドが主流で、中国ブランドは1社もなかった。今回展示ホールに入ると、中国ブランドが集団で登場したことに驚かされた。中国車ブランドはわずか5年でバンコクモーターショー全体の半数を占めた」と述べた。

 共同通信は27日、「バンコクモーターショーで、中国勢は少なくとも8社が出展。過去最大の展示規模となり、長く現地に根付き圧倒してきた日本勢と展示スペースなどで拮抗している」と伝えた。

 統計によると、中国ブランド車の2023年のタイEV(電気自動車)市場におけるシェアは80%に上った。タイのEV販売トップ10のうち中国製は8車種。「NIKKEI Asia」は、「タイの23年の新車販売市場で、中国メーカーのシェアが11%と前年比で2倍以上に増えた。日本車のシェアは8割を切った。日本車は長期的に9割を占めていた」と伝えた。

 中国自動車メーカーはバンコクモーターショーで最新の車種を発表するほか、現地化生産計画を発表した。BYDの重役によると、建設中のタイ東部工場は今年7~9月に稼働開始する予定。年間生産台数は15万台で、極力タイ市場で販売するという。長城汽車は今年
1月よりタイでEVの生産を開始した。名爵も年内に生産を始める見込みだ。中国自動車メーカーは、この東南アジア最大の自動車製造センターで、投資総額14億4,000万ドルを超える製造拠点を建設すると約束している。

 王氏は中国車のタイ市場での急成長の理由について、「中国車は技術イノベーションと製品の質向上に取り組んでいる。さらにタイ現地市場をよく理解し、価格面で強いことから、一気にタイの消費者の心をつかんだ」と述べた。

 タイの自動車オーナーのSuwanは記者の取材に、購入したばかりの中国長安の新エネ車を使いキャンプに行った経験について、「一晩で充電を5%しか使わなかった。外部給電機能により、ケトルやホットプレートなどに給電できる。タイではすぐ、このEVによるキャンプのスタイルが流行するだろう。より便利で快適で経済的なライフスタイルを体験できる」と述べた。

 タイのオンライン配車サービスの運転手も、「バンコクは交通の騒音がひどいが、中国の新エネ車は運転中に非常に静かで、価格も安い。そのためタイ人は中国の新エネ車の購入を好む」と述べた。

中国ブランドが半数を占める

 中国EVメーカーの強い勢いを迎えながら、トヨタ、いすゞ、ホンダなどかつての市場のリーダーは強い衝撃を受けている。『日本経済新聞』は、 「トヨタ自動車のタイ法人が2月1日、他社を含む23年のタイ新車販売台数を発表した。市場全体では前年比9%減の77万5780台だった」と伝えた。ロイター通信は、「日本の自動車メーカーは今後5年間でタイに1,500億バーツ投資し、EVの研究開発と生産能力を強化する」と伝えた。日本メーカーも夕イでの事業および方針を調整し始めている。共同通信は、「トヨタ自動車は現地で需要が強いピックアップトラックのEVの量産を来年末までに開始すると発表した」と伝えた。タイ国トヨタ自動車社長・山下典昭氏は、「需要とEVインフラの状況に着眼し、EV事業を一歩ずつ進めていく」と強調した。

 その一方で、その他の日本車メーカーは緩慢なモデル転換を試みている。王氏は、「日本車とドイツ車が依然として主流だが、更新ペースが遅い。中国車は技術と体験だけでも十二分だ。各モーターショーで中国が展示する車の周りにはタイの消費者が集まり、こぞって体験しようとする」と述べた。

 沃達福デジタル自動車国際協力研究センターの張翔主任は28日、「環球時報」の取材で、「夕イの新エネ車市場では現在、中国車のコストパフォーマンスが高く、スマート化水準も成熟しており、絶対的な強みをもつ。しかし日本にはタイで長年深耕し、ブランドとして世界で高い知名度を誇るという強みがある。夕イは現在、新エネ車の補助を行っている。日本車メーカーは大きな市場の潜在力を目にしているが、良い商品をもたないことに苦しんでいる」と述べた。


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