福岡県議会のドバイ視察に立憲・城井県連代表が苦言
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福岡県議会の自民党県議団など主要会派代表が、世界獣医師会の世界大会参加などを理由に公費で海外訪問した件をめぐり、視察に参加した旧民主・社民系会派「民主県政クラブ」会長の岩元一儀県議が11日、立憲福岡県連の会合で陳謝したことがわかった。
福岡県議会においては海外視察の報告義務はない。また、今回の視察は県議会の議決を経ていたが、当初予定していた南アフリカやケニアだけでなく、ドバイも訪問していたことが判明している。
県政記者クラブ加盟の一部報道機関が報じたことをきっかけに県民の批判が高まり、7日夕方から、主要会派代表同席のもと、県議会議長室で報告書を開示する異例の対応が行われた。
視察には自民党だけでなく国会において「政治とカネ」の問題を追及している立憲の会派代表など2人も参加しており、党内から説明を求める声が挙がっていた。
城井崇県連代表はデータ・マックスの取材に対し、「海外視察に限らず公費での政治活動、多額のお金を要する活動への国民の厳しいまなざしを自覚して行動すべき」と苦言を呈したうえで「岩元県議から、出席者に陳謝し、視察費用の在り方などについて、見直しを検討中であることも報告が行われたので注視していく」と述べた。
福岡県議会は、麻生渡知事以来、自民党と旧民主系などの主要会派が「県政与党」として議会運営を行ってきているが、民主県政県議団は、数の上で優位に立つ自民党県議団との距離感が近すぎるとの指摘がある。国政では対立しながら、地方議会では協力関係にあることが県民からみてわかりにくいのは事実だ。
服部誠太郎福岡県知事は、県政の主要課題に「ワンヘルス」を掲げており、県議会においても党派を超えて特別委員会を設置するなどして、取り組んできている。その観点から南アフリカで開催された世界獣医師会の大会参加は、問題はなかったが、観光地であるドバイ訪問を急遽入れたことで県民の疑念を生むことになった。
立憲所属の福岡県内のある地方議員は、「そもそも公費で行くべきではなかった。政務活動費で県民に視察の効果をしっかりと説明できるのであれば、行くのは構わないと思うが、国内で学ぶべきほかの都道府県や政令市、中核市の政策を学ぶ方が優先順位としては高いと思う」と語った。
来月にも衆議院解散・総選挙の可能性がいわれるなか、地方議員とはいえ、今回の視察問題で立憲に対する国民の視線がより厳しくなった。県議会ばかりでなく福岡市議会も同様で、敵失に過ぎない3補選の勝利で浮かれていては、思わぬ落とし穴が待ち構えているだろう。
【近藤 将勝】
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