服部福岡県知事、県議会の海外視察報告書公表など是正申し入れ
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服部誠太郎福岡県知事は、14日の定例記者会見で、県議会の海外視察の在り方について「議長が『成果が大事だ』と発言されたことは、報道を通じて承知しており、その通りだと思う」としながら「公費を使った海外出張である以上、県民の皆さまが、早期に、容易に、わかりやすく知ることができることが大切」との認識を示した。
また、「情報公開請求は、手間がかかるし、コピー代の負担も必要だ。情報開示を行う際は、職員の復命書の公表だけでなく、他の団体などを参考にして、県議会として主体的に検討することが望ましい」と香原勝司議長に対して、積極的な視察報告の公表を行うよう申し入れを行ったことを明らかにした。
福岡県議会の海外視察をめぐっては、4月に、南アフリカで行われた世界獣医師会の大会への参加や、国連機関の視察だけでなく、視察直前になってドバイ訪問が追加されたことが判明した。多額の費用を要するにもかかわらず、他の県議会と異なり、議員の視察後の報告義務はなく、その成果を示す報告書が公表されていないことが大きな問題となっている。
知事の海外出張は、記者会見や県のホームページで成果について報告が行われているが、県議会の場合は、これまで公に問われてこなかった。
就任の経緯もあり、与党会派と近い立場にある知事であるが、今回、県議会に対して積極的な情報開示を行うことを求めたのは、異例の事態だ。
麻生渡・小川洋元知事は、いずれも中央官僚出身であったが、議会と対立する場面がしばしば見られた。県行政関係者は「議会は、長年与党会派、とくに自民党に配慮した運営が行われてきた」という。首長と議会は、二元代表制であり、互いに適度な緊張関係が必要である。
県職員からの生え抜きである服部知事は、就任以来、自民党県議団など「県政与党」との協調を通じて、議案の可決など議会運営をスムーズに行ってきたが、知事として、県民の批判を前に、県議会を諫める必要があると判断したものとみられる。
来月6日開会が予定されている6月定例会を前に、海外視察の在り方をきっかけに、県民から見えにくい県議会の在り方が問われることになる。
【近藤 将勝】
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