2024年11月27日( 水 )

楽観論のすすめ 楽観論には道理があり、人を幸せにする(後)

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 NetIB‐Newsでは、(株)武者リサーチの「ストラテジーブレティン」を掲載している。
 今回は5月28日発刊の第354号「楽観論のすすめ 楽観論には道理があり、人を幸せにする」を紹介する。

価値創造メカニズムの分析がカギである

 将来をつくる種は細部に宿ります。変化は大局からではなく、個別具体的事柄からおこり始めます。マクロだけを見ていては変化を見落とすことになります。一番大事な細部は企業における価値創造です。企業が価値をつくれなければ、給料も払えず投資もできず、経済は前に進みません。経済が興隆するときも衰弱するときもまず企業の価値創造が健全かどうかが決め手になります。

DNAを形成する職業倫理 エートスの洞察が不可欠だ

 また、私たちは歴史上の最も偉大な選手、超一流の投手であり超一流の打者を兼ね備えた大谷選手を目の当たりにしていますが、これほどの偉大な人物がなぜ日本に生まれたのかも、有益な洞察です。体力、素材としてはもっと恵まれている人がいるはずのアメリカではなくなぜ日本に? 金銭にも世間の評判や名声にも目もくれず、ひたすら野球という職業の完遂を求める精神は、日本人がもたらしたものと思われてなりません。

 そして、大谷選手と同様のメンタリティーをもった日本人の若き職業人はたくさんいます。今は日本の研究費が削減され研究開発で米国や中国の後塵を拝していても、日本人の職業倫理、エートス(生活態度)が世界一級であることは、誰しも認めるところです。鉄道時間の正確さ然り、落とし物を警察に届ける律義さ然り、チーム優先で我を抑える謙譲の精神然り。この精神があるからこそ歴史的バブル崩壊と異常に長い経済停滞の下でも、日本企業は地道なビジネスモデル転換をなしえたのだと思います。

明るい将来VS超割安な株式バリュエーション

 以上のような筆者独自のチェックポイントによって検証し、仮説を構築すれば日本の将来がとてつもなく明るいものになることは明らかです。過去10年ほど、日本の将来は一番楽観的な方が考えるよりももっと明るい、と言い続けてきました。

 今こそ楽観論の大切さを知っていただきたいという思いから、5月26日に『日本株の歴史的大相場が始まった!』をWACより刊行いたしました。本書をお読みいただければ、今私たちが実感している望ましい変化は、日本という国が大きく生まれ変わる予兆であるのだということをご理解いただけるはずです。日本の株価は年内5万円もあり得ますし、日本を取り巻く環境が激変しない限り、早ければ5年、遅くとも10年後には10万円になることを私は疑っていません。

 さてそのような明るい将来が待っていることをご同意いただいたとして、読者の皆さまはどのように行動すべきでしょうか。当座に必要としない資金のかなりを株式に振り向けるべきでしょう。日本株のインデックス投資を続けることで、10年の間に財産を何倍かに増やすことができるでしょう。

 他方で将来を考えようともせず、安易な預金で資産を運用すれば5年経っても10年経っても1は1のままです。極端な財産形成の差が生まれるのです。株式投資で運命が分かれるということは、決して誇張ではありません。この輝かしい時代において皆さまが投資に大きな成果を収め、人生を切り拓くことを願っています。

(了)

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