2024年11月24日( 日 )

若者を幸福にしない「改革」路線

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は政治意識の「分化」を指摘する6月27日付の記事を紹介する。

現在、有権者の政治意識は3つのカテゴリーへの分化が誘導されているように見える。

第一のカテゴリーは既得権死守。政治権力は財政資金配分権力である。国家予算では約90兆円もの金額の配分権が国家に付与されている。その3分の2は社会保障等の「プログラム支出」が占めるが、3分の1の30兆円は補助金を中心とした裁量支出。この外側で近年は巨大な補正予算が編成され補助金のバラマキが行われている。

2020年度から23年度までの4年間の補正予算計上額は154兆円。1年に39兆円もの補助金バラマキが実行されている。政権与党側に与することは巨大な財政資金バラマキのおこぼれに預かれる旨味をともなう。このために、日本の主権者の25%が自公の与党を熱烈に支持している。この人々は嵐がきても槍が降っても火山が爆発しても必ず選挙に足を運ぶ。岩盤支持層だ。利益動機だから行動は揺るがない。

第二のカテゴリーは平和主義・リベラル層。日本国憲法を尊重する。同時に財政の所得再分配機能を重視する。市場原理主義、大資本利益追求を支援する規制撤廃の動きに異を唱える。日本国憲法は基本的人権として生存権を保障するが、この考え方を重視する。いわゆる「左翼」と分類される勢力だ。

1947年に片山哲内閣が誕生した。戦後民主化の果実として日本で革新政権が誕生したのである。しかし、片山哲内閣が誕生した1947年に米国は外交路線の基本を変えた。「ソ連封じ込め」が米国外交の基本に据えられた。連動して対日占領政策は「民主化」から「非民主化・思想弾圧」に転換した。しかし、日本においてリベラルが政治の主役に躍り出る素地は存在する。それでも、「反共政策」「勝共政策」を基礎に据えた米国の思想統制、思想弾圧により、リベラル勢力は過去74年間、強い圧迫を受けて現在に至っている。

第三のカテゴリーが「新自由主義」勢力。市場原理を重視し、経済の弱肉強食を容認する。民営化を正義とみなし、所得再分配を否定する。「超自由主義」=「リバタリアニズム」の考え方をベースに置く。その源流は2001年の小泉内閣にある。

※続きは6月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「若者を幸福にしない『改革』路線」で。


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