2024年12月22日( 日 )

中国深圳市、「スーパー充電の街」を構築~コーヒーを飲む間にフル充電

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 BYDなど電動自動車メーカーの本社所在地─深圳市では、市内の新エネ車充電スタンドの多くは、「コーヒーを飲んでいる間に、フル充電できる」をキャッチコピーに掲げている。これは、「スーパー充電の街」の構築を目標にする深圳のスローガンであり、充電インフラに照準を合わせた深圳の「新世代世界一流自動車の街」に向けた大きな一歩でもある。

「新世代世界一流自動車の街」に

電気自動車 イメージ    アプリ「i深圳」を開き、一番近いスーパー充電スタンドを選び、充電ポールに掲げられているQRコードをスキャンし、EV充電コネクタを自動車に接続すると、車内のディスプレイに表示される走行可能距離がほぼ1秒に1㎞のペースで増えていく。深圳市バス新エネルギー有限公司・深康充電スタンドの責任者・黄睿さんはEV充電のデモンストレーションを行いながら、「自家用電気自動車の場合、普通充電ポールならフル充電に7-8時間かかり、急速充電ポールなら1〜2時間かかるが、スーパー充電ポールなら10分ほどで80%以上充電できる」と説明してくれた。

 同社・運営部の葉錫東経理は、「水冷式充電ターミナルを採用したことで、5分充電すると、250km走行できるようになった。深康充電スタンドは、現時点で、深圳市で最大の規模を誇り、施設が最も整い、機能が最も豊富なモデル充電スタンドだ。充電スタンドは1日当たり新エネ車1,300台に、ハイクオリティで効率的、便利な充電サービスを提供することができる。1年当たりでは、延べ40万台の新エネ車にサービスを提供し、充電量は1,200万wを超える」と説明する。

 葉経理によると、この充電スタンドは、太陽光発電所とエネルギー貯蔵設備、電気自動車充放電スタンドが一体となっており、実際の天気や電気料金、新エネ車の電池の状態などの情報に基づいて、スタンド内の太陽光発電とエネルギー貯蔵、自動車の充放電を統一して管理し、スマート調整が可能で、局域マイクログリッドと仮想発電所を形成している。

 深圳は2023年6月に、初のオール水冷型スーパー充電モデルスタンドを設置し、「スーパー充電の街」建設を宣言。

 空港や高速鉄道ターミナル、公共の公園、大型商業施設、高速道路のサービスエリアなどを重点ポイントとして、需要と供給がマッチングし、最先端技術を採用したスーパー充電ネットワークを先行して構築することを目指している。今年4月30日の時点で、市全域のスーパー充電スタンドは延べ362カ所となり、スーパー充電スタンドとEV充電コネクタの数がガソリンスタンドと給油ノズルの数を上回った。

 さらに、深圳では、「電気自動車スーパー充電設備のランク分けした評価規範」や「電気自動車集中型公共充電スタンド設計規範」が4月1日から正式に実施された。

スーパー充電設備のEV充電コネクタ1本当たりの電力は480kw以上

 これらは、中国初のスーパー充電設備のランク分けした評価とスーパー充電スタンド設計の地方標準で、業界は先頭に立って、「スーパー充電設備」や「オール水冷型スーパー充電設備」といった業界用語の定義を打ち出し、スーパー充電設備のEV充電コネクタ1本当たりの電力を480kW以上と確定した。

 深圳の新エネ車産業は現在、リーディングカンパニーがリードし、産業チェーンが高度に組み合わさり、川上・川下が高度に連携する発展の構造が構築されている。今年4月末の時点で、深圳市の新エネ車は100万台を超え、新車販売における電動自動車の比率が約6割となっている。充電設備製造の分野を見ると、英飛源や永聯といった企業11社の中国市場のシェア率は50%を超えている。

 スーパー充電というスタイルが普及するにつれて、充電効率が大幅に高まり、充電量も急増している。南方電網・深圳供電局の統計によると、今年1〜4月、深圳の新エネ車の充電量は前年同期比4.6%増の延べ9億2,000wに達した。

 新エネ車が増加するにつれて、自動車と送電網の間の融合・相互作用が、応用というレベルでより現実的な意義を備えるようになっている点は注目に値する。

 深圳供電局は、5月15日、送電網のピークカットのニーズに合わせて、市内の新エネ車1,473台がさまざまな場所で、「秩序に基づく充電」、「逆方向充電」を実施するよう企画。充電ポール1万5,000本を通して、電力の使用量が最も多い時間帯に削減された電力の使用量は4,389wに達した。電気自動車から送電網に給電する「逆方向放電」により、全ての新エネ車は「電気を売る」ことができるようになる。電気代の安い夜間に電気自動車をフル充電し、電気代の高い日中に送電網に給電することで、差額を利益にすることができる。

 深圳供電局は、深圳の現有の新エネ車が全て「逆方向放電機能」を備えた場合、車両に搭載されている電池のエネルギー貯蔵潜力は5,000万wに達し、可制御負荷が最大300万kW以上に達すると予想している。これは中型の化石燃料を使う発電装置5基に相当する規模となる。


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