2024年11月24日( 日 )

マーケティング投票誘導全盛へ

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「『マーケティング投票誘導戦術』が用いられていることを正確に把握することが、自公政治に対峙するリベラル勢力戦術構築の大前提になる」と指摘する7月8日付の記事を紹介する。

都知事選は政治の構造を考える多くのヒントを与えるものになった。政治の在り方を端的に規定しているのが日本国憲法。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
(中略)
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」

やや分かりにくい表現だが、核心は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」ということ。

選挙で代表者を選出して政治を行うが、その政治は国民の信託による。選挙で主権者である国民が誰を選出するのかが最重要になる。

現在の国政与党は自公。対立政党に立共が存在する。今回都知事選では自公支援候補が勝利したが、小池氏が獲得した票が292万票、2位、3位の得票数合計が294万票だった。2位は石丸伸二氏で166万票、3位は蓮舫氏で128万票だった。

自公対立共の対立での野党候補である蓮舫氏が128万票しか獲得できなかった。新しいかたちの選挙を実行した石丸氏が166万票を獲得した。2位、3位候補の得票数合計は小池氏の得票を超えた。

「小池3選アジェンダ」と表現して記述した通り、小池氏を当選させる最大の方策=策略として「第三の候補」が用意されたと見ることができる。石丸氏がどの程度意識してきたのかどうかは不明だが、石丸氏を浮上させた原動力は「メディアの大応援」にあった。

ここでいうメディアは地上波にとどまらない。現在のメディアは二本立て。テレビ・新聞・雑誌等の既存メディアとネットメディアの2つ。共通するのは、どちらも「大資本」が支配権を有しているということ。この点で既存メディアとネットメディアに差は存在しない。
そのメディアが石丸氏を大宣伝したことが石丸氏浮上の最大の原動力になった。

もう1点、付け加えなければならないことは、石丸氏が巨大な選対を保持したこと。巨大な選対保持という意味は巨大な資本が投下されたということ。巨大資本の支援なしに、この選対運営は存在しない。

※続きは7月8日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「マーケティング投票誘導全盛へ」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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