選挙に勝つためのリセット
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「メディアによる情報操作で主権者の行動が歪められることが、今回の都知事選においても鮮明になった」と指摘する7月10日付の記事を紹介する。
小池百合子氏にとって石丸伸二氏は文字通り救いの神。都知事選には56名が立候補したが主力候補は小池氏と蓮舫氏だった。
反小池氏が蓮舫氏に集中すれば勝敗は拮抗したはず。現に、小池氏292万票に対して石丸・蓮舫氏票が294万票だった。294万票を1人が獲得していたら小池氏は落選していた。
蓮舫票を引きはがす「第三の候補」が必要だった。「第三の候補」のなり手は石丸氏以外にもいた。AI技術者の安野たかひろ氏、医師の内海さとる氏だ。この2名のいずれかを、石丸氏のようにメディアが大宣伝していれば、その人物が石丸氏の代役を務めただろう。
石丸氏が浮上した原動力はメディア大宣伝にある。しかし、石丸氏が「第三の候補者」である合理的な理由は存在しなかった。しかし、メディアは選別的に石丸氏に対して特別の対応を示した。
メディアにはマスメディアとネットメディアの2つがあるが、共通するのはどちらも巨大資本が支配力を有していること。石丸氏の引き立てが巨大資本の利害に合致したということ。
2008年以来、メディアが大宣伝を展開する対象は同じカテゴリーに含まれる。「対米隷属で新自由主義」がメディア大宣伝の条件である。
もう1つ、見落とせないのは石丸選対が大がかりであったこと。大がかりな選対を用意するには巨大な資金が必要になる。巨大な資金が投下される巨大な選対が用意された。巨大な資金を用意した黒幕が存在したということ。石丸氏の個人の力で大量得票を実現したわけではない。そのことを本人が自覚していないとすればおめでたい。
「メディア大宣伝」「印象操作」「巨大選対」が得票激増をもたらした。選挙戦術上、「印象操作」の賞味期限は投票日で構わない。投票日まで「好印象」を演出できれば目的を達成できる。
しかし、投票日を過ぎると「印象操作」で見えなかった部分が見え始める。もともと、有権者は石丸氏をよく知って支援したわけではない。「印象操作」「メディア大宣伝」「巨大選対」に誘導されただけである。
投票日が過ぎて、「印象操作」で伝わらなかった部分が判明してくる。本人の力が「印象操作」を上回っていれば、投票日後も支持が増大する。しかし、石丸氏の場合は投票日が支持のピークになったのではないか。
人々との円滑なコミュニケーションを図ることが政治家として業績を積み上げるうえで必要不可欠。
※続きは7月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「選挙に勝つためのリセット」で。
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