2024年11月22日( 金 )

第3回脊振サミット「未来へ残そう脊振の大自然:山と川と海と」開催記(前)

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 西南学院大学・西南コミュニティセンター(福岡市早良区)で、「脊振サミット」を2018年2月に第1回、19年6月に第2回を開催した。

 脊振山系は福岡県と佐賀県の県境に位置し、自然豊かな山である。ブナや広葉樹が豊かな森をつくりあげている。春夏秋冬、さまざまな山野草をはじめ樹木の花が咲く。春のミツバツツジやシャクナゲは脊振を代表する樹木の花である。また、夏にはキツネノカミソリが咲く時期に多くの登山愛好者が山を訪れる。

 身近な山であるためか、その重要性があまり知られていない。その身近な山の麓で、行政やボランティア団体が自然保護や脊振の自然を生かした観光や物産事業を行っている。その活動を発信し、情報を共有すべきだとして脊振サミットを開催してきた。第2回以降はコロナ禍もあり、脊振サミットを開催できぬまま時間が過ぎていった。昨年、第3回の開催をすべきだと計画したが、内容を熟考する時間が必要だった。

 プランニングにたけた大学の後輩でもある会員Kに相談すると、「やりましょうよ」との返事だった。Kはプランニング会社を経営し、福岡市のホームページも編集してきた。加齢に伴う大病で手術をした後、数年前に会社を解散している。しかし、すばらしいスキルとノウハウは健在だった。脊振の自然を愛する会にとっては、ありがたい人物だ。

企画と準備

    福岡市早良区役所企画課に脊振サミットの開催を提案した。早良区役所企画課とは08年から脊振山系の道標設置事業、山開き、クリーンアップ登山、野河内渓谷整備事業や自然観察会を行ってきた。その集大成としての脊振サミットの開催である。

 早良区役所と協議し、「脊振の自然を愛する会」主催、早良区役所と共催で「第3回脊振サミット」を行うことになった。「未来へ残そう脊振の大自然:山と川と海と」をテーマとして準備した。後輩のワンダーフォーゲル部の活動報告は、筆者の母校である大学との関係で絶対必要だった。4年生のM前主将に真っ先に連絡を入れた。彼からは早々に「了解しました」との返事があった。そして脊振山系の自然歩道整備や観光事業に関係している行政にアプローチした。

 福岡市立背振少年自然の家を会場に、佐賀県吉野ケ里町、福岡県那珂川市、福岡市早良区で脊振山系エリアの活性化を目的とした交流会が行われている。「脊振ボーダレスプロジェクト」が発足したのである。「ふくおか市政だより」の早良区版で、それぞれの活動が時おり紹介されている。福岡市、吉野ヶ里町、那珂川市の参加要請は早良区役所にお願いした。福岡市からは環境局が出席することになった。

 福岡市立背振少年自然の家には、脊振山登山の帰りにときどき顔を出している。私が提供した脊振の大写真パネル約10枚は脊振ギャラリーとして利用してもらっている。そんな関係もあり、背振少年自然の家のT所長にも背振サミットへの参加を早くからお願いしていた。

 前回、参加していただいた佐賀県有明海再生・自然環境課には、メールにて参加をお願いした。佐賀県は脊振山系の九州自然歩道の整備を行っている。最近は古くなった道標や案内板が環境省と協力して立派な物に生まれ変わっている。

 そして5月末に、佐賀県庁を訪ねた。行政は2、3年で移動がある。佐賀県庁からサミット参加の内諾を得ていたものの、担当者とは面識がない。メールだけの参加要請は失礼に当たると思ったからである。

 地図アプリを開発し、今や福岡のベンチャー企業として成功した(株)ヤマップの春山慶彦社長は多忙なので1年前からアプローチしていた。春山氏とは創業時から交流がある。野河内渓谷の沢登りも2回案内した。創業時3人で始めた企業が今や東京支社を入れて社員120名の企業に成長している。多忙である春山氏からの参加表明をSNSで確認した。

 第3回脊振サミットを開催するにあたり、会場の確保が必要である。場所は前回同様、母校の西南学院大学・西南コミュニティセンターに決めた。大学は福岡市早良区西新にあり、地下鉄西新駅から徒歩約5分と交通の便がよい場所だ。また筆者が週一回程度、シフト勤務しており、会場の使用に関しては熟知している。

 一般の施設利用申し込みは4カ月前からである。しかし、これでは準備などの時間が足りない。職場の課長に相談すると大学の後援が取れれば、6カ月前からの予約が可能だと教えてもらった。そこで脊振サミットの企画書を作成し、大学の部活OBとしてワンダーフォーゲル部顧問のF教授に推薦をもらい大学に提出した。

 後日、「大学の後援が承認されました」とメールで連絡があった。昨年12月に今年の6月8日開催でホールと会議室、控え室の施設利用申し込みをし、日程は確定した。母校の西南学院大学の後援が取れたことで会場費は無料となった。これは非常にありがたかった。

(つづく)

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

(中)

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