2024年11月21日( 木 )

【トップインタビュー】創業50周年を超えてその先へ 「お客様第一主義」の電材卸売総合商社

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三共電気(株)
代表取締役社長 木原和英 氏

 「お客様第一主義」を信条として信頼と実績を積み上げ、地場トップクラスの電材卸売総合商社としての地位を築き上げた三共電気(株)。今期、創業から50周年の節目を迎える同社の現状や今後について、同社代表取締役社長・木原和英氏に聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役会長 児玉直)

強い組織づくりに注力

三共電気(株) 代表取締役社長 木原和英 氏
三共電気(株)
代表取締役社長 木原和英 氏

    ──今期に創業50周年を迎えられますが、パーティーなど大々的に開催されるのでしょうか。

 木原和英氏(以下、木原) 創業者の出口守が1975年5月に三共電気商会として個人創業してから今日まで、電材卸売総合商社として事業を続けてきましたが、おかげさまで今期に創業50周年の節目を迎えられることとなりました。これまで事業を続けてこられたのは、当社をお引き立ていただいたお客さまのほか、仕入先メーカーの皆さま、そしてともに頑張ってくれている社員およびそのご家族があってこそだと思っております。

 ただし、いろいろと検討はしましたが、大勢を招いたかたちでの記念パーティーの開催は予定しておりません。というのも、当社は創業以来、多くのお客さまと取引をさせていただいており、どこからどこまでお招きしていいのか、その線引きが非常に困難だからです。取引額の多寡にかかわらず、どのお客さまも無碍にはできませんし、かといってすべてのお客さまをお招きするわけにもいきません。無理にパーティーを開催したことで、「ウチは呼ばれていない」などの禍根を残してマイナスになっては、意味がありません。そのため、今回は50周年誌と記念品を製作してお配りするくらいで、あとは社内で粛々と50周年を迎えたいと思っております。

 ──創業者・出口守氏が亡くなられてから早くも3年が経とうとしていますが、社内体制の変化などはいかがですか。

創業者・出口守氏の銅像
創業者・出口守氏の銅像

    木原 亡くなった出口は、強力なリーダーシップによるトップダウンによって会社を引っ張っていくタイプで、会長になられてからも絶大な影響力を有していました。一方で私は、残念ながらそういうタイプではありません。ただし、これまで出口が1人でやっていたことでも、私が1人でやる必要はないと思っていて、なんだったら組織として10人使ってやってもいいと思っています。そうした方向に舵を切っていった結果、今では社員1人ひとりの意識も変わり、細かな実務の部分は私が口出しせずとも会社が回っていくようになっていますし、組織として強くなってきたのではないかと思っています。

 ──働き方改革などへの対応はいかがですか。

 木原 業界として、昔であれば定時退社や完全週休二日制などは考えられませんでしたが、今はそうはいっていられません。当社でも、今は20時になると社内のPCが強制的にダウンしますし、定時退社も当たり前になってきました。また、完全週休二日制の導入などに対しては、奇しくもコロナ禍があったことでお客さまからの理解は得られています。社内でも働き方改革の考えが浸透してきたようで、以前に比べると責任者の意識改革も進んできていますし、何より限られた時間のなかでの仕事のメリハリが出てきているように思います。

社員が成長・活躍できる環境に

 ──御社の今後について、お聞かせください。

 木原 現在の当社の売上比率でいえば、電気設備や空調機器、民間や公共、大手や地場など、どこか一部に極端に偏るのではなく満遍なく分散しているような状況です。これによってうまくリスクの分散を図れ、経営の安定化に寄与していると思います。

 一方で、違う分野にも手を広げていきたい気持ちはありますが、社員への負荷が増えることを考えると、なかなか踏み切ることはできません。実は、今話題の熊本・TSMCに関連する仕事の話が持ち込まれたこともあり、大変魅力的ではあったのですが、規模的にも当社内に専門部署を設けて対応しなければなりませんし、時間の縛りや社員への負荷増大などを考えると、断らざるを得ませんでした。一時的な売上増は期待できますが、それで社員の離職を招いてしまっては、元も子もありません。先ほどの働き方改革への対応もそうですし、社員1人ひとりがイキイキと働きながら、各々が成長して活躍できる環境を整えていくことが、何より大事だと考えています。

本社社屋
本社社屋

    さまざまな需要や環境に対応できる新たな組織づくりにも力を入れ、未来に希望をもてる企業となっていけるよう挑戦し続けることが、私たちの使命だと考えております。これからも『お客様第一主義』を信条として信頼と実績を地道に積み重ねていきながら、まずは売上高100億円の目標達成に向けて、全社一丸となって頑張っていきたいと思います。

【文・構成:坂田憲治】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:木原和英
所在地:福岡市西区福重1-14-25
設 立:1976年6月
資本金:7,200万円
売上高:(24/5)約72億円


<プロフィール>
木原和英
(きはら・かずひで)
1968年2月生まれ、福岡市出身。87年に三共電気(株)に入社。その後、2004年に南営業所所長兼営業本部長、03年5月に取締役営業部長、10年7月に取締役常務を経て、13年7月に代表取締役社長に就任。趣味はゴルフ。

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