2024年12月22日( 日 )

「現状維持は衰退への第一歩」 チャレンジ精神を忘れずに次のステージへ

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(株)R.E.D建築設計事務所

 (株)R.E.D建築設計事務所はマンションをはじめ商業施設や飲食店舗、医療関係、介護福祉施設、教育施設など、さまざまなジャンルの建築設計を手がけている。東京にも事務所を有するが、スタッフを定期的に東京に派遣して建築物を見学させるなど、彼らの引き出しを増やすとともに想像力を刺激させている。同社が大事にするのは「上を目指そう」(赤樫幸治代表)という姿勢だ。

昨年、東京事務所を開設 さらなるステップアップを

赤樫幸治代表
赤樫幸治代表

    福岡を拠点にオールジャンルの設計を手がける(株)R.E.D建築設計事務所。2022年5月には東京都港区に東京事務所を開設するなど、09年の事務所設立以来、業容を拡大し続けている。

 同社の赤樫幸治代表は東京都の出身。現地で活躍する大学時代の知人・友人がたくさんおり、彼らとの交流のなかで強い刺激を受けられるのが東京事務所を開設した理由の1つだという。また、東京の市場は福岡の市場とは、けた違いに大きく、そうした厳しい環境にあえて飛び込んでいくことで、さらなるステップアップを期待できること、そして、その経験を生かせば福岡の市場においても、これまで以上に強くなれるのではないかと考えたことも理由として挙げる。

大手設計事務所と共同で大規模プロジェクト進行中

 現在、同社では東京都目黒区の一等地に建設予定の50室の老人ホームの設計を手がけている。「東京は福岡と比べ建築単価が1.5倍ほど高く、難しい部分があることはたしかです。ただ、当社はこれまで福岡で多くの実績を積み重ねてきたと自負しています。東京でもそのノウハウを活かしていきたいと考えています」(赤樫代表)。さらに同社では現在、大手の設計事務所と共同で大規模プロジェクトを進行している最中だという。

 「自分はサラリーマン時代、このような大規模プロジェクトを経験することができませんでした。今の事務所だからこそ、こうしたプロジェクトに関われたのだと思うし、それをスタッフに経験させてあげられることが何よりもうれしいですね」と顔をほころばせながら赤樫代表は語った。

引き出しを増やすために最新の建築物を視察

設計業務に携わった熊本県内のマンション
設計業務に携わった熊本県内のマンション

    東京事務所開設前から熱心に取り組んできたのが、事務所スタッフによる東京を含む首都圏にある建築物の視察だ。毎週ローテーションでスタッフを東京に派遣して、最新の建築物、特徴的な建築物を見学したうえで、後日、その報告・発表を行っている。

 この取り組みの狙いについて赤樫代表に聞いたところ「最新の建築物を見ることで、インスピレーションを得て、デザインの引き出しを増やしてもらえたらと考えています」という答えが返ってきた。福岡で勤務しているスタッフは、たとえば23年に全面開業した虎ノ門ヒルズ(東京都港区)のような新しい建築物を雑誌やテレビなどで見る機会があったとしても、なかなか生で見る機会がない。「生で見る機会を創出して刺激を受けてくれたら」という思いで、この取り組みを始めたのだという。「最新の建築物を視察するだけでなく、『いずれは自分もこれを超えるものをつくってみせる』という気概をもってもらえたら、この取り組みの意義は大いにあると思います」(赤樫代表)。

 また、これまで人前で話すことが苦手だったスタッフも、視察した建築物についての報告・発表をしていくうちにプレゼンテーション能力が向上するという効果も現れ始めているそうだ。

 同社では、こうした取り組みを10年以上続けている。昨年はアメリカ・ニューヨークにスタッフとともに足を運び、9.11の現場となった「グラウンド・ゼロ」のほか、「タイムズスクエア」「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」 など、さまざまな建築物を視察して知見を深めたという。

 どの業種にもいえることだが、企業が成長していくためには、そこで働くスタッフの成長が必要不可欠だ。投資を惜しまず、スタッフも含め、常にレベルアップできる環境を整えてきたことが、同社の強みを伸ばすことにつながっているといえるのではないだろうか。

企業永続のカギは「常に上を目指す姿勢」

設計業務に携わった福岡県内のマンションのエントランス
設計業務に携わった
福岡県内のマンションのエントランス

    今年7月に設立15周年を迎えた同社。企業を永続させるためのカギは何かと問うたところ、赤樫代表は「まずはお客さまのために、ということを常に心がけることです」と前置きしたうえで、「どの企業も同じかもしれませんが、とくに設計会社においては現状維持でいいと思った瞬間に成長は止まってしまい、そこから衰退が始まっていくと思っています。常にチャレンジしよう、上を目指そう、こうした姿勢こそが重要だと思っています」と語る。

 最後に自身の最終的な目標について質問したところ、「まだまだ若いと思っているので、正直あまり先のことは考えられません。とにかく目の前のことに全力でぶつかっていきながら、“上を、上を”という気持ちを忘れないでいようと思います」と述べた後、少し考える様子を見せて「これまで積み重ねてきた経験を活かして、最後の仕事として自分自身の家を設計するというのもいいかもしれませんね」とも語った。

 「現状に決して満足することなく、チャレンジングスピリットを忘れない」。赤樫代表およびR.E.D建築設計事務所の今後のさらなる飛躍を期待せずにはいられない。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:赤樫幸治
所在地:福岡市早良区西新4-6-15
    ル・リアン西新102
設 立:2009年7月
資本金:1,000万円
TEL:092-852-1730
URL:https://www.redoak.co.jp

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