2024年11月22日( 金 )

きれいな現場がつくる「健康住宅」 高性能住宅だけで間もなく2,000棟

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健康住宅(株)

松尾設計室|松尾氏監修の超高性能展示場(次郎丸展示場)
松尾設計室|松尾氏監修の超高性能展示場(次郎丸展示場)

 1998年以来、高性能住宅のみをつくり続けてきた健康住宅は、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2023」では13年連続でダブル受賞、毎年200を超える応募総数のなかから2016年と2020年には大賞を受賞している。HEAT20 G2・G3レベルの性能を備える高性能住宅が標準仕様の同社が、最も大事にしているものの1つが、「美しい現場」だ。

全棟で気密測定

健康住宅(株)    1998年の創業以来、健康住宅(株)は高性能住宅のみをつくり続け、その引き渡し実績は1,900棟超を誇る。2018年7月には、世間に先駆けて「SDGs宣言」を行い、21年にはSDGs推進室を新設。SDGs17の目標のうち、とくに健康や省エネ、伝統技術の継承、そして住み続けられるまちづくりなどは創業から取り組み続けてきたテーマであり、社内でも無理なく受け入れられた。さらに、優れた省エネルギー住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2023」では、13年連続でダブル受賞となるなど、同社の環境に配慮した高性能住宅は、外部からも高い評価を受ける。

 高気密高断熱の住宅は家中の温度が一定に保たれ、ヒートショックも起きにくく年間を通じて快適に過ごすことができる。建物の断熱性能には窓が大きく影響するが、健康住宅では、すべての窓で断熱性最高水準のトリプルガラス樹脂サッシが標準仕様となっている。

 さらに同社では、過去も含めて全棟で気密測定を欠かさず行ってきた。引き渡しの直前に全棟で気密測定を行う会社は福岡にはほとんどない。引き渡し時に気密の数値が約束以下だったら大変なことになるからだ。図面上どんなに断熱性能を示す数値が高かろうが、建物の隙間が大きければ、冬寒く・夏暑い家になってしまう。高い気密性は施工品質の高さの賜物であり、竣工時に気密測定を行えるくらい施工品質に自信があるということだ。

紹介受注は驚異の45%

 「施工品質は現場に現れる」──同社の畑中直社長はそう話す。「現場がきれいなことは、メリットしかありません。ゴミが減る、ミスが減る、コストも減る、なにより気持ちいい。建築現場を見に来られたお客さまにも大変喜んでいただいています」と続ける。

 「現場きれい」から建築現場の改善・施工品質向上を目指し開催される「魅せる現場コンテスト2022」(住宅産業塾)では、2年連続で総合最優秀賞を受賞し、殿堂入りをはたした。同社の現場では、1日5回の清掃や整理整頓が徹底されている。注文住宅の場合、施主やその家族が現場を覗きに来る頻度は高いが、「建材をきちんと養生していた」「入居後ご近所から褒められる」と大変好評で、同社の紹介率の高さにつながっている。

整理された現場
整理された現場

    健康住宅の受注に占めるOB客からの紹介割合が45%と高い理由は、性能の高さとそれを裏付ける整理整頓された現場管理にありそうだ。品質を確保するために年間着工棟数を制限しており、上棟予定が記された社内のホワイトボードには、「着工待ち」がずらりと並ぶ。

 また、高い施工品質が強みの1つである同社では、技術の承継に貢献し、将来的にも高い施工品質を継続させるため、10年以上前から社員大工制度を採用。現在では社員大工は13名、うち8名が棟梁に育っている。

断熱リフォームも好調

 26年で約1,900棟を引き渡してきた健康住宅にとって、施主へのアフターフォローは大きな意味をもつ。戸建住宅に限らず住宅にはメンテナンスが欠かせない。そのための屋根や外壁、窓などの開口部、給排水、換気システム、構造躯体などの点検を定期的に行い、雨漏りや傾きなど、住宅の基本構造部分に万が一欠陥が見つかった場合には、最長20年の保証を行うなど、長期にわたって施主との関わりを継続。「アフターフォローの一環でトイレなどの設備交換、内装リフォームから大掛かりなリノベーションまでご相談いただく機会も増えてきました」(畑中社長)という。

 また、断熱材は日進月歩で進化していることから、同社では断熱リフォームにも力を入れる。OB客に限らず、断熱性能が低い住宅に対して、最新の断熱材を付加することで、大きく性能を向上させることも可能なのだという。「まずは、二重サッシにするなど、窓の性能を高めることから考えてみてほしい」と畑中社長は話す。「住宅において、最も熱が逃げ、入ってくるのが窓です。二重サッシにするだけでも体感できるほど断熱性能を向上させることができます」(畑中社長)。

AIに負けない「いい会社・いい人」

 健康住宅では、営業の歩合制を廃止して久しい。施主に対しては、営業・設計・インテリア・施工などチームで対応。提案やアフターフォローを充実させることで、施主との関係性を深めることができ、やりがい創出にも貢献しているという。その結果、離職率が劇的に低下。出戻り社員も少なくないといい、「彼らは、昔の当社のことをよく知っているし、独立して苦労した人もいます。その経験は我が社にとって大きな戦力です。転職経験のない社員の、良き相談相手にもなってくれているようです」(畑中社長)。

 こういった組織の仕組みづくりを継続してブラッシュアップしてきた同社だが、畑中社長は「数年後の社長交代を計画しています」と話す。「次期社長は、社内から選出することを念頭に置いており、それは全社員にも伝えています。そのためにも、より強固で持続可能な組織づくりを進めているところです。進化するAIにいろいろな仕事が移行していくことは間違いありませんが、『良い人柄』はAIには出せないものだと思います」(畑中社長)といい、これは同社が掲げるビジョン「GOOD COMPANY with GOOD PEOPLE」にも通じるものだ。

 畑中社長は最後に次のように話した。「住宅づくりもそうですが、経営も結局は人です。『正道を行く』という理念に則って、楽しくも厳しく、利益もきちんと出しながら、世間にも認められる、そんな会社に少しでも近づけるよう、一丸となって取り組みを進めてまいります」。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:畑中直
所在地:福岡市城南区別府5-25-21
設 立:1998年8月
資本金:2,000万円
TEL:092-846-3000
URL:https://www.kenkoh-jutaku.co.jp

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