2024年10月26日( 土 )

“人づくり”こそ社会貢献の本質 企業と地域を牽引し続けるリーダーシップ

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福岡ロジテム(株)

福岡ロジテム(株) 小林専司代表
小林専司代表

 福岡ロジテム(株)は、地元を代表する総合物流企業として急成長した。同社を率いる小林専司代表は自社の経営にとどまらず、ボランティア活動でも長年にわたってリーダーシップを発揮している。そこには、企業の枠を超えて地域と社会の未来を見据えた“人づくり”の哲学が見える。

設立から20年弱 九州を代表する総合物流企業

宇美町本社倉庫
宇美町本社倉庫

    福岡ロジテム(株)は、東京に本社を置く総合物流企業・日本ロジテム(株)が九州エリアを強化するためにコバヤシライン(株)とタッグを組み50%ずつ出資して2005年に設立。コバヤシラインの小林専司氏が代表に就任した。

 設立から数年にして、大手小売チェーンから物流センター業務を受注し、それを機に小売業の物流ノウハウを蓄積、顧客を増やし業績を拡大してわずか15年で年商50億円に到達した。

 同社は賃借物件として複数の物流拠点を構えており、糟屋郡宇美町の本社倉庫は、倉庫面積8,552坪の地上5階建、最上階までトラック乗り入れ可能なランプウェイ倉庫。アイランドシティ物流センターは、14年に同社がどこよりも早く1フロアー約6,800坪の巨大倉庫を営業倉庫として進出したもの。そのことが先駆けとなって大手企業が次々に進出し、現在、福岡アイランドシティは福岡最大の物流集積地となっている経緯がある。そして、22年7月に小郡第1物流センター(倉庫 7,409坪、地上2階建)が竣工、続いて本年3月には小郡第2物流センター(倉庫:6,500坪、地上3階建)が竣工し、現在も業務拡大の勢いを持続している。

小郡第1物流センター/小郡第2物流センター

“人づくり”のために発揮するリーダーシップ

アイランドシティ物流センター
アイランドシティ物流センター

    同社を急成長させた代表の小林氏は、組織のトップがはたすべき4つの役割を挙げる。1つ目は夢。どれだけの売上を上げ、地域のなかでどのような役割をはたす会社にしたいか。2つ目は情報。ビジネスを果敢に切り拓くために広い視野と豊富な情報が必要だ。3つ目は決断。トップは要所で結果を左右する決断を果敢に下さなくてはならない。4つ目は責任。すべての責任はトップが負う。

 小林氏は自社の経営においてばかりでなく、さまざまなボランティア活動においても、長年にわたって地域と社会のためにリーダーシップを発揮してきた。

 現在まで続く「アジア太平洋こども会議イン福岡」は、1989年に福岡市制100周年記念アジア太平洋博覧会に合わせて第1回が開催され、そのとき小林氏は実行委員長を務めた。35の国と地域から1,110人の子どもたちが参加したが、キャンプの当日に台風が直撃した。悪天候下でもキャンプを実施すべきというスタッフと、安全に強い懸念を示すスタッフとの間で意見が割れた。責任者の小林氏は決断に迫られ、実施の判断を下した。すると、それまで賛否が割れていたスタッフたちが一致団結して、安全なイベント遂行に全力を尽くし、無事成功させることができたという。当時を振り返って小林氏はリーダーシップの役割を次のように語る。

 「良い組織というのは、さまざまな意見がありながらも、最後は一致団結して取り組むことができる組織です。リーダーシップをとる人間は、そのような組織が本領を発揮できるように、自分は何をすべきかを常に考える必要があります。その姿勢は、日々、協力し合う仲間に対する感謝と、そのために自分も尽くす気持ちのなかから起こってくると思います」。

地域と社会に貢献し福岡を牽引し続ける

 小林氏は13年6月、(一社)福岡県中小企業経営者協会連合会(県中経協)の第6代会長に就任した。県中経協は、福岡県内4エリアの中小企業1,200社余りで構成する中小企業経営者協会の上部組織で、会員企業の交流と企業価値の向上、そして地域社会の活性化などに取り組む。具体的には、外国人技能実習生事業を行うグローバルイノベーション事業(協)の運営のほか、高校生が参加する「福岡未来創造キャンプOn Your Mark!」の主管と運営を行う。

 このキャンプは、高校生たちに自分の可能性や世界への視野を拓いてもらい、次世代を担うリーダーを育成することを目的に開催されている。カウンセラー役として、ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学などの世界トップクラスの大学生らも参加する。当初は英語を喋ることに戸惑っていた高校生たちも、キャンプを終えるころには目の輝きが変わるという。

 キャンプの意義について小林氏は、「急速にグローバル化する世界で活躍できる人材が求められていますが、東京や大阪では人材育成の仕組みが確立され事業参入も積極的になされる一方で、福岡を含めた地方都市においてはまだまだ確立していません。グローバルに活躍できる人材を地方からも輩出できる仕組みを整備することが、地方と地場の企業にとっても大きな利益になります」と語る。

 企業経営からボランティアまで幅広くリーダーシップを発揮する小林氏の信念の根底には、“人づくり”に対する並々ならぬ情熱がある。その情熱のもと無私の活動を続ける小林氏の周りには多くの人が集まってくる。“人づくり”の信念で実践される企業経営とボランティア活動が、地域と社会に貢献するリーダーシップの模範を示している。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:小林専司
所在地:福岡県糟屋郡宇美町大字井野369-8
設 立:2005年10月
資本金:6,000万円
TEL:092-931-1665
URL:https://f-logitem.co.jp

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