2024年10月26日( 土 )

より機動力ある組織づくりへ モダンプロジェがグループ再編

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(株)モダンプロジェ

(前列)中央が大東氏、右が簀戸氏
(前列)中央が大東氏、右が簀戸氏

 賃貸マンション・モダンパラッツォ、オフィスビル・モダンビューローなどの企画を手がけるモダンプロジェグループが、新たに設立した持株会社・(株)morgen ponteホールディングスを筆頭とするグループ再編を行った。設立2期目から新卒採用を開始していた同社では、「とくに若手の成長が頼もしい」(同社)といい、新卒2期生を中核企業の代表取締役に抜擢。事業の拡大とともに経営層も厚みを増している。

ホールディングス制に移行 事業ごとに会社分割も

 「敷金・礼金ゼロ」の賃貸マンションやオフィスビル、テナントビルなどを企画・開発するモダンプロジェグループが組織再編を行った。これまで(株)モダンプロジェが行ってきたマンションなどの企画・販売は(株)recensが、グループの持株会社は(株)morgen ponteホールディングスが担い、モダンプロジェはマンスリーマンション事業や仲介管理事業などを行う。モダンプロジェグループはほかに、学生向けの賃貸仲介を手がける(株)福岡ログ不動産、ホテル運営などを手がける(株)モデリア、消防施設工事などを手がける東陽産業(株)、内装工事などを手がける(有)インテリアイイダなどで構成される。直近では、型枠工事会社を新たに傘下に加えたほか、長崎市の医療法人といった異業種もグループに加わった。

 モダンプロジェの創業者で代表取締役会長・別府大力氏は、「当社は設立2期目の2013年から新卒採用を行ってきましたが、彼ら若手の成長は非常に頼もしく、早い段階で権限委譲していくことが必要なのではないかと感じていました。私を含め創業メンバーがフロントに立ったままでいるより、機動力ある組織づくりのためには若手の抜擢が効果的だと判断しました。組織再編はそのためのフレームづくりです」と話す。

設立2期目から新卒採用し持株会社の代表にも登用

 設立3期目に新卒入社した大東晋也氏は、モダンプロジェの執行役員に就任した21年当時、「最初の3年は、社長の鞄持ちでした。九州内はもちろん、大阪や東京など、週の大半を出張して過ごす別府会長のカバン持ちは、当時はきつかった記憶がありますが、今となってはいろいろ学ばせてもらえるいい経験でした」と話していた。大東氏は今年、recensの代表取締役に就任し、大東氏に続いて新卒入社した簀戸健志氏ら若手もrecensやモダンプロジェなどの役員に抜擢された。

 別府会長は、「不動産投資には、投資家の人生や経営を左右しかねない大きなお金が必要です。また、投資期間も長期にわたります。だからこそ、企画も長期的な視野が必要です。若手の抜擢は、長期的な視野を継続的にもっていくための施策です」という。

立地に合わせた企画と初期コスト安く明朗な契約

 同社が企画する投資物件・modernシリーズの基本理念は「インカムとキャピタルの両立」だ。安定した賃料収入だけでなく、売却という選択肢も選べるのは都市の中心部に物件を供給している強みで、用地選定と物件のプランニングが企画の肝となっている。賃貸マンションだけでなく、テナントビル、オフィスビル、ホテル、それらの複合型と立地に合わせて開発手法を変化。さらに、ウィークリー・マンスリー、時間貸し、学生特化型など立地やニーズに合ったサービスの提供も行ってきた。

MODERN PALAZZO 住吉(住吉4丁目)
MODERN PALAZZO 住吉(住吉4丁目)

    modernシリーズは、すべて「敷金・礼金ゼロ」であるほか、退去時の清掃費が定額といった、初期費用や不測の費用がかからない仕組みを採用してきた。マンションでは少しずつ増えてきた「敷金・礼金ゼロ」も、オフィスやテナントではまず見かけないが、modernシリーズはもちろんすべて「敷金・礼金ゼロ」だ。一般的に敷金・保証金等は、家賃の半年から1年分が必要となる。個人店の開業時や創業時など、「イニシャルコストはなるべく抑えたい」というニーズに応えたもので、「敷金・礼金ゼロ」は福岡市内を中心に増加を続けるmodernシリーズの代名詞となりつつある。

ハコを中核に医療などへ多角化
教育事業への参入も目前

 このように、モダンプロジェグループの事業の中核は「投資用不動産の企画」だが、社宅やマンスリー、学生向けといった幅広いソリューションをグループ内で提供できるところが強みとなっている。別府会長は自社のビジネスモデルについて創業当初から次のように話していた。「不動産開発は、ゼネコンや専門工事業者、不動産仲介・管理業者、金融機関の方々の協力があって、やっと完成させることができる。こういった裾野が広い事業だからこそ、みんなが儲かる商品をこれからも開発していきたい」。

 モダンプロジェグループの事業スピードは早い。設立から12年で、企画・プロデュース実績は200棟に上るほか、ホテル運営や飲食への新規参入、幾度のM&Aによる建設事業参入を立て続けに行ってきた。「建築と入居者募集の主要部分は、外部の信頼できる協力会社の方々にお願いしておりますし、事業の拡大によって、ご協力いただいている施工会社や不動産仲介会社の方々にはこれまで以上に力を貸していただきたいと思っています。ただ、建築に関しては当社でやれる部分、得意な部分があると思っています。すべてを内製化するつもりはありませんが、工事はもちろん採用や教育についても新たなチャレンジを進めています」(別府会長)という。

 モダンプロジェグループは、賃貸マンションをはじめハコづくりが主力だ。新規参入やM&Aは、ハコを中心に展開できる分野での拡大を図ったもので、今後はこういった分野とハコのシナジー効果をより高める取り組みを進めていく方針へかじを切った。すでに傘下に収めた医療法人や今後参入予定の教育事業もその一端となるだろう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:別府大力
所在地:福岡市中央区大名1-7-3
設 立:2012年3月
資本金:300万円
TEL:092-737-6111
URL:https://modern-projet.com

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