苦闘続くアビスパ、九州ダービーは引き分け 鳥栖0-0福岡
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は28日、アウェーの駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖と第32節の試合を行った。
サガン鳥栖のここまでの順位は20位。最下位に沈み、J2降格の危機が現実のものとなっている。リーグ最多の62失点と守備が崩壊し、2012年以来守り続けてきたJ1の座は風雲の灯だ。8月に監督交代に踏み切ったものの、ここ最近も5連敗と結果につながっていない。
対するアビスパも、苦しい状況が続く。ここまで10試合未勝利で、引き分けによる勝ち点の積み増しにこそ成功しているものの、サポーターのフラストレーションは溜まる一方。ダービーですっきり勝って、シーズン終盤に向けて弾みをつけたいところだ。
九州ダービーという最高の舞台、そして勝利を渇望する両クラブ。試合は期待通りの熱戦となった。
キックオフ直後、鳥栖MF西矢健人の強烈なロングシュートがアビスパゴールを襲うが、アビスパGK永石拓海が完璧にセーブ。11分にはFWウェリントンがゴール前のポストプレーでつないだボールをDFドウグラス・グローリがダイレクトボレーでゴールを狙うものの、ミートが甘くゴールには至らない。鳥栖がボールを握り、アビスパがカウンターで切り返すという事前の予想通りの試合展開だが、両者ともに決定的なチャンスには至らないまま、前半が終了した。
後半も一進一退の攻防が続く。鳥栖は後半から投入された元日本代表MF清武弘嗣が持ち前の正確なキックを見せ、アビスパゴールを脅かす。68分、鳥栖のフリーキックに始まる流れから、MF清武が正確なミドルシュート。ボールはゴール右上隅に飛ぶが、これはGK永石拓海が見事にセーブ。85分にはMF清武が直接フリーキックからゴールを狙うが、これはわずかに枠をそれていく。
試合はこのまま、両者無得点で終了。勝ち点1を分け合うかたちとなった。未勝利からの脱出と上位進出を目指すアビスパにとっても痛いが、降格圏脱出のために勝利が必須だった鳥栖にとってはより厳しい結果となった。
アビスパとサガン鳥栖、それぞれ難しい状況に直面したライバルチームがトンネルから抜け出すのはいつになるのだろうか。1つの勝利が状況を大きく変えてくれるはずだ。
【深水央】
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