参政党の九州での戦略~九州で「1議席獲得」を目指す
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衆院選が公示され、12日間の選挙戦に突入した。参政党は衆院選比例代表九州ブロックで届け出が受理され、予定していた全11ブロックでの届け出が完了した。
福岡は7選挙区で擁立
4月の衆議院東京15区補選に立候補していた吉川里奈氏が比例九州ブロック単独1位で立候補し、長崎1区の黒石隆太氏、大分1区の野中しんすけ氏が小選挙区との重複立候補をしている。
九州のなかで最も人口が多い福岡県においては、7、8、10、11区を除く小選挙区で候補者を擁立した。
いずれも新人で、福岡1区(福岡市博多区など)が自営業の緒方貴恵氏(40)、2区(同中央区など)が会社員の黒石裕子氏(32)、3区(同西区など)が元小学校教諭の重松雄子氏(65)、4区(宗像市など)が元国税局職員・行平佳弘氏(38)、5区(筑紫野市など)が建設会社社員・岡部吉高氏(42)、6区(久留米市など)が空手道場主宰の古川恭司氏(58)、9区(北九州市八幡西区など)が書道講師の山本直緒美氏(60)の7人。
野中氏が立候補する大分1区は、旧佐賀関、野津原両町を除く大分市がエリア。同県は、村山富市元首相を輩出したリベラルな政治風土が強いという特徴がある。
大分1区の現職は、野党系だが、保守的な無所属前職・吉良州司氏である。2009年から19年の衆院選まで、吉良氏と、自民党の穴見陽一氏との一進一退の攻防が続いた。
今回、父が安倍晋三元首相の盟友だった衛藤晟一氏の長男で、元県議の自民党新人・衛藤博昭氏、共産党の新人・山下魁氏、そして参政党から野中氏が立っている。野中氏は、動画配信を行いながら、連日、地道に街頭活動を行ってきた。
自民党に不満をもつ保守層の獲得がカギ
参政党は、同党の特設サイトに「日本をなめるな」というキャッチフレーズを掲げている。
(1)「奪われる日本の国土と富を護り抜く」、(2)「失われる日本の食と健康を護り抜く」、(3)「壊される日本の教育と国家アイデンティティを護り抜く」という3つの公約を謳っており、政治的にみると保守的な考え方が強い。現在の自民党による政権運営では、日本の国力は低下し、衰退してしまうという危機感を持つ人たちが支持している。同党は14日午前10時半から博多駅前で、神谷宗幣代表を迎えて街宣と九州ブロックの総決起大会を開催、多くの党員・支持者が集まった。集会や会合に参加している同党の支持層は、子育て世代が多い。候補者も30代から50代の現役世代が中心で、教育問題に関心が強い。
福岡市議会議員で、参政党ボードメンバーでもある新開裕司氏は「前回の参院選で、九州地区での得票数が多かった。福岡や熊本など地方議員もいる」と現状を述べたうえで「4月の東京15区補選に出た吉川氏を比例で擁立し、黒石氏、野中氏は比例重複で、1議席以上獲得すべく活動している」と力強く語った。
保守的な九州において、自民党に不満を持つ層をどこまで取り込むことができるか、同党の戦いに注目が集まる。
【近藤将勝】
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