スリーダムアライアンス、X-SEPA製造設備をnoco-noco(シンガポール)に譲渡へ
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次世代電池用セパレータの開発製造を行う(株)スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、松村昭彦代表)が、製造設備をnoco-nocoに譲渡することが分かった。
本件を発表したのは、noco-noco Inc.(本社:シンガポール、松村正大代表、以下noco-noco)。
発表によると、10月11日、noco-nocoは、スリーダムアライアンスならびにnoco-tech(株)との間で、X-SEPA技術を搭載した製造設備に関する買収契約を結んだ。契約内容は約900万ドル相当のX-SEPAセパレータの製造設備がnoco noco pty ltd (またはその指定子会社) に譲渡され、代わりに、noco-nocoからスリーダムアライアンス に対して、参考価格で1株10セントのnoco-noco株式が約9,000万株譲渡されるというもの。
一方、スリーダムアライアンスは本件について何ら発表を行っていない。
ナスダックで上場廃止リスクに直面しているnoco-noco株
noco-noco株 (NASDAQ: NCNC) は、23年8月に米ナスダック市場に上場されたが、上場直後から株価は急落した。10月17日現在、1株あたり0.10ドル前後で推移しているものの、Bloombergでは「売買停止」のフラグが立っている。
noco-noco株は、ナスダックの上場基準である最低株価基準と最低時価総額を満たしていないとして、ナスダックから改善措置をとるように通知を受けており、現在、そのための猶予措置を受けている。状況が改善できない場合、noco-noco株は最終的には上場廃止のリスクがある。
そのための対応としてnoco-nocoは、10月7日に臨時株主総会を開催、50対1の株式併合を行うことなどを提案していた。
株主に対する責任を放棄したスリーダムアライアンス
上記の通り、上場廃止リスクに直面しているnoco-noco株は、たとえnoco-nocoが1株10セントの参考価格を設定しても、市場の信頼失墜と流動性喪失によって今後、紙クズ同然となる可能性がある。
このような株式を対価として、これまでスリーダムアライアンスが巨額の開発費を投じてきた重要な知財であるX-SEPA技術を搭載した製造設備の売却は、スリーダムアライアンスにとって重大な経営判断にあたり、株式総会の特別決議が必要な「重要な資産の処分」にあたる可能性もある。
しかし、スリーダムアライアンスは本件売却に関する発表はおろか、既報の通り本年3月に開催予定だった株主総会について2度にわたる延期通知を発表して以降、いまだに株主総会すら開催していない状況にある。
【寺村朋輝】
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