2024年10月28日( 月 )

明日の衆院選結果で大激変の時代へ~政界地殻変動の先駆けとなるか

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 衆院選(27日投開票)は、今日でSNSを含めた選挙運動は終えることになる。福岡県内11選挙区の情勢を取材したところ、保守地盤でこれまで自民党一強状態にあった7区や11区などでも、自民前職と野党系の候補が接戦を展開している。

 11選挙区のうち、いくつかの選挙区を見てみよう。

 福岡1区は、序盤の自民前職、井上貴博氏の優勢から、立憲新人・丸尾圭祐氏が猛追し、競り合う展開となっている。2区は県内最大の激戦区で、自民前職の鬼木誠氏と立憲前職の稲富修二氏の一騎打ちとなっており、お互い譲らない展開で、稲富氏がややリードしている。

 福岡3区は、自民前職の古賀篤氏と、立憲新人の仁戸田元氣氏が競り合っており、組織団体の支持を得る古賀氏を、仁戸田氏が猛追している。古賀氏は、裏金問題と直接関係ないが、元秘書のパワハラ告発もあり、有権者の反応が注目される。

 福岡5区は、自民新人の栗原渉氏と立憲前職、堤かなめ氏が一進一退の戦いを展開しており、やや栗原氏がリードしている。無党派層の支持をどこまで得られるかが、カギになると思われる。

 福岡7区は、農村地域で無風状態にあるとされたが、自民前職の藤丸敏氏に対し、立憲新人の亀田晃尚氏が猛烈に追い上げ、一部調査では、亀田氏がややリードしている。

 北九州市の9区、10区は、それぞれ野党系前職が優勢で、9区は無所属の緒方林太郎氏を保守系無所属の三原朝利氏、10区は立憲前職の城井崇氏を自民新人の吉村悠氏が懸命に追う展開である。

 7区と同じく自民党が強いとされた11区は、自民前職の武田良太氏を維新新人の村上知信氏が猛追し、一部調査では、村上氏がややリードしている。

 実際の投票結果を見てみなければわからないとはいえ、福岡都市圏や北九州市ばかりでなく、農村地域で、県境にある7区や11区で自民離れが顕著なのは、衝撃的であった。

 今回の衆院選は、自民・公明で過半数は維持されるといわれていた。赤旗がスクープした非公認者に2,000万円入金し、事実上の公認料を与えたことからみても、有権者の裏金問題に対する怒りを与党側は軽視していたことは間違いない。

 衆院の解散日程決めなど一連の動きを主導したのは森山裕幹事長とされるが、2,000万円の支出は岸田文雄前首相が関わっていたという。

 「SmartFLASH」が次のような自民党関係者の話を伝えている。

 「岸田首相は、総選挙で裏金議員を公認するか、非公認とするか最後まで迷っていました。結局、非公認にすると決めたのは、総選挙の直前に開かれた石破首相と森山幹事長、小泉進次郎選対委員長の会議でですが、そのときに2,000万円の活動費の支給を、“岸田前首相の方針”として引き継ぐことに決まりました」。

 石破政権および自民党執行部は、岸田・森山ラインでほぼ決められているという。石破政権誕生も、旧岸田派議員が高市早苗氏ではなく、石破氏についたことが決め手となった。石破氏や森山氏らにとっては、安倍派の天下のなか、冷や飯を食わされ続け、約20年臥薪嘗胆してようやく手にした権力であろう。

 しかし、国民の怒りは頂点に達した。その結果が、各種調査でも伝えられる自民公明の苦戦である。連立を組む公明もたまったものではないはずだ。明日の結果次第で、石破内閣は、退陣、さらには、与野党の政界再編も行われる流れになることは間違いない。

【近藤将勝】

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