CBDの新規制が12月12日施行、THC限度値超のサプリや化粧品は「麻薬」に
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大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)の一部を改正する法律が12月12日に施行され、CBD(カンナビジオール)製品に関する新たな規制がスタートする。サプリメントや化粧品などに含まれる有害成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)の残留限度値を設け、これを超えた製品は「麻薬」に該当し、取り締まりの対象となる。
これまで大麻取締法の下では、大麻草の「種子」と「成熟した茎」に限定してサプリメントなどに使用してきた。これを部位規制という。今回の改正によって部位規制を撤廃し、麻向法に基づく成分規制へ移行する。これとともに、製品に含まれる有害成分であるTHCの残留限度値を設定した。
CBDオイル、ヘンプシードオイル、化粧オイルなどの油脂と、CBDパウダーやプロテインなどの粉末類の残留限度値は10ppmに設定。清涼飲料水、アルコール飲料、化粧水などの水溶液と、牛乳などのコロイド溶液については0.1ppm。これらを除く「その他」として、菓子類、錠剤、バターなどの固形物、電子タバコ、シャンプー・リンス、乳液・クリーム、マヨネーズ・ドレッシング、ゼリーなどは1ppmとしている。
製品区分は、原料・化粧品・食品といった用途によって分けずに、製品の形状と成分によって判断される。このため、化粧水も水溶液に該当すると考えられる。
油脂については、「グリセリンと脂肪酸が結合した化合物を90%以上含むもの」と定義。たとえば、CBDを溶かした植物油の場合、植物油とCBDの重量を合算したものが、製品全体の重量の90%以上ならば油脂に該当する。
また、水よりもエタノールが多い酒類については、エタノールに水が溶けていると判断され、「その他」に該当する。
厚労省ではCBD製品の取扱事業者に向けて、残量限度値を超える可能性がある製品については、施行期日(12月12日)までに処分するよう呼びかけている。このため、業界内では一部製品の販売中止を発表する動きが相次いでいる。また、一部の販売事業者が在庫処分を急いでいるという情報も飛び交っている。
厚労省はホームページ上で、製品に含まれるTHC含有量を検査可能と申告した検査機関として、三重大学神事・産業・医療用大麻研究センターのほか、米国系のAnresco Laboratories、Eurofins Food Chemistry Testing US Madison USA、KCA Laboratories LLCを公表している。
違反すると刑事事件の可能性も
THCの残留限度値を超えたサプリメントや化粧品、電子タバコなどの製品は、麻向法の「麻薬」として位置づける。悪質と判断された場合などでは刑事事件の対象となる。一方、残留限度値を下回る製品については、従来どおり販売したり、使用したりできる。
厚労省では、残留限度値を超えた製品が見つかれば、「立入検査を実施し、(違反の)継続性や限度値をオーバーした量などを調査し、行政措置や刑事対応を行う。今後は定期的に買上調査を実施する」(医薬局監視指導・麻薬対策課)と話している。
【木村祐作】
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