2024年12月23日( 月 )

国鉄民営化=JR私物化の大間違い

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「リニア新幹線建設を中止し、北陸新幹線の早期延伸を実現するべきだ」と訴えた12月21日付の記事を紹介する。

北陸新幹線の延伸ルートをめぐって与党の整備委員会が12月18日に開かれたが、年内中に予定していた京都駅周辺を通るルートの絞り込みを断念した。

与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームは2016年12月に北陸新幹線の敦賀―新大阪間について「小浜ルート」の採用を決定。国土交通省の試算では、小浜ルートの事業費は約2兆1,000億円、工期は15年だった。ところが、本年8月7日に開かれた与党整備委の会合では、「小浜ルート」の事業費が最大約5兆3,000億円、工期は最長28年と示された。8年が経過して「小浜ルート」の事業費と工期が激変。このことから、再び「米原ルート」が浮上している。

2016年の時点で米原ルートは事業費約5,900億円、工期10年だった。「小浜ルート」では京都駅との接続などに関して3つの異なるルート案が提示されている。
1.京都市中心部を東西に横切るかたちで線路を通し、JR京都駅と平行な位置に新幹線の駅を設ける「東西案」
2.京都市中心部を南北に通ってJR京都駅の線路と直角となる位置に新幹線の駅を設ける「南北案」
3.JR京都駅から2駅先のJR桂川駅近くに駅を設ける「桂川案」
今後の物価上昇を見込んだ事業費と工期は
「東西案」が5兆3,000億円程度・28年程度、
「南北案」が5兆2,000億円程度・25年程度、
「桂川案」が4兆8,000億円程度・26年程度とされる。

どの案でも事業費は当初の想定から激増。工期も驚くべき長さに転じている。前提条件が激変した以上、米原ルートなどを含めて敦賀延伸の事業全体を見直すべきだ。

石川県の県議会議員などは、与党の整備委員会が年内に予定していた京都駅周辺を通る3ルートの絞り込みを断念した12月18日に、都内で自民党の森山幹事長と面会し、現在の「小浜・京都ルート」よりも区間が短い「米原ルート」を含めて再考するよう求める要望書を手渡した。与党のプロジェクトチームは「小浜・京都ルート」は既定の路線だとするが、既述の通り、前提条件が激変した。事業費は当初の想定よりも2倍以上に跳ね上がっており、工期も著しく長期化することから、抜本的に見直すべきことは当然だ。

※続きは12月21日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「12.19日銀政策決定会合の見方」で。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

関連キーワード

関連記事