2025年01月09日( 木 )

福岡再開発2025 周縁部でも再開発進む(前)

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箱崎キャンパス跡地

九大・箱崎キャンパス跡地
九大・箱崎キャンパス跡地

    2024年4月18日、「九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業者募集」における優先交渉権者として住友商事(株)を代表とし、九州旅客鉄道(株)(JR九州)や西日本鉄道(株)、西部瓦斯(株)(西部ガス)、清水建設(株)、大和ハウス工業(株)、東急不動産(株)、(株)西日本新聞社で構成される企業グループが選定された。今後、土地の引渡しに係る協定とまちづくりに係る協定などは25年度に締結される予定で、25年度以降に土地の引き渡しが行われる予定となっている。

 住商グループらの提案では、特徴的な「イノベーションコア」を中心として、ゾーン特性に応じた交流・発信・実証を促すスマートステージの整備や、街の骨格を形成する5つのメインストリートなどを整備。また、「箱崎創造の森」と題して緑化率約40%・樹木1万本以上による圧倒的な緑量の緑空間の確保を進めていくほか、九州大学時代の街割りグリッドや街並み高さなどを継承し、近代建築遺産と調和するスカイラインの形成などを行っていくとしている。

 具体的には、業務・研究機能としてイノベーション拠点「BOX FUKUOKA」やライフサイエンス研究拠点「ライフサイエンスパーク」、新たな駅前ビジネス街区「North gate Hakozaki」などのほか、交流・にぎわい機能として福岡・九州の豊かな食をテーマにした日本最大級の食のエンターテイメント交流拠点「フクオカサスティナブルフードパーク」や「ブック&カフェ」「交流広場」などを盛り込んでいる。

 ほかに、「箱崎版地域包括ケアシステム」を構築した医療・福祉機能や、九州大学100年のレガシーを継承した教育機能、各ゾーンの立地特性や利用シーンに合わせた生活支援機能などが盛り込まれているほか、多様な人たちが安心して暮らし、交流やコミュニティが生まれる多種多様な居住機能なども整備していく方針。具体的な居住機能としては、2,000戸の分譲住宅や単身者向け賃貸住宅、高齢者向け住宅、共同社員寮、学生寮などが挙げられている。

渡辺通二丁目プロジェクト

 九州電力(株)(以下、九電)と(株)電気ビル、(株)十八親和銀行((株)ふくおかフィナンシャルグループ傘下)、福岡商事(株)は現在、九電が本店を置く渡辺通二丁目地区において、「(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト」を共同で進めようとしている。

(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト
(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト

    同プロジェクトは、エネルギー・金融を軸に幅広いソリューションの提供で地域のサステナビリティ経営の実践・浸透を進め、九州の発展を支援促進する両グループが、それぞれが有する経営リソースを生かすことで、地域に開かれた福岡都心のまちづくりを進めていくもの。コンセプトとして「協働・共創の促進」「脱炭素ビルへの挑戦」「地域との共生」を掲げ、新しい働き方への対応や再生可能エネルギーなどの利用によるCO2排出量実質ゼロを目指したオフィスビルを建設していく計画。加えて、沿道の魅力づくりや、天然芝の緑地広場・カフェなどを拠点とした地域の賑わいや交流促進などに取り組むことで、社会課題や環境課題の解決および地域の活性化に貢献し、持続可能な社会を実現していくとしている。

 23年9月の計画発表では、25年度中の着工を目指して詳細を検討しているとしていたが、その後の具体的な計画公表は今のところ行われていない。ただし、計画地では現在、既存建物等の解体工事や埋設インフラ移設工事などが進められており、プロジェクトが進行していること自体は間違いないようだ。

(つづく)

【坂田憲治】

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