公明党の都合で参院選日程が決定される非常識
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今夏の参院選の日程について自民党は、東京都議選に近いことを懸念した公明党の要望を受け、3連休の中日に投開票を行うようだ。ちなみに参院選と東京都議選が重なるのは、12年に一度のことである。
林芳正官房長官が14日、衆参両院の議院運営委員会理事会に対して24日に通常国会を召集する方針を伝達した。会期は6月22日までの150日間を予定し、会期を延長しなければ、参院選は7月3日公示、20日投開票という日程が有力となる。7月20日は日曜日だが、翌21日は海の日で祝日となっている。
福岡県内の多くの小中学校や県立高校などの終業式は7月18日に行われ、19日から夏季休業(夏休み)に入る。全国的にも同じ日程が多いだろう。学校が夏休みに入り、3連休となると家族旅行や遊びに出かけて、投票に行きそびれる層が出てくる。
投票率が低下することで組織票が有利に働くことになる。組織に属さない人が増えたことで業界団体の集票力低下がいわれるが、宗教団体の集票力は依然強いものがある。公明党は、創価学会が支持団体であることは知られる通りで、同党が都議選を重視するのは歴史的経緯があるからだ。
現在は宗教法人の認可権を文部科学省がもっているが、以前は都道府県知事による認可で、創価学会本部は東京にあることから東京都知事が所管していた。学会員の数も東京は多く、地方議員を重視する公明党としては都議の議席を守る必要がある。
22年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題が明らかとなり、宗教2世の献金や信仰の強制をめぐる問題が表面化した。創価学会においても2世・3世の若い学会員は、活動に熱心ではない。一方、学会員が「先生」と尊敬する池田大作名誉会長の薫陶を受けた古参信者は、年々減少している。
一部でいわれる衆参ダブル選挙だが、公明党は石破茂首相をけん制する発言を行うなど反対している。参院選とほぼ同時期に東京都議選を控えており、学会員が選挙運動で疲弊し、組織から離れていくことを警戒しているとの指摘もある。
昨年10月の衆院選において公明党は、石井啓一代表が落選するなど小選挙区で4勝7敗と厳しい結果となった。7月の参院選と東京都議選は、自民党のみならず公明党にとっても絶対に負けられない戦いであろう。
穿った見方かもしれないが、与党に有利になることを見越して参院選の日程を決めたのではないだろうか。SNSでは、野党議員などから批判の声が相次いだ。
立憲民主党の小沢一郎氏は、自身のX(旧・twitter)を更新し、参院選が公明党の意向で7月20日投開票となる見通しを報じた記事を引用しながら、「1人でも多く投票できるように、ではなく、自公に有利になるように、無党派層がなるべく来ないように選挙日程が決められる。自公政権に鉄槌を」と、与党の都合で日程が決定されたことを批判した。
元広島県安芸高田市長・石丸伸二氏は、「恥ずかしくないのか #公明党 は。与党の立場を使って党利党略に勤しむなど許されると思うな」と怒りをあらわにした。
石丸氏が言うように、公明党の都合で選挙日程が決められるのはまさに党利党略といってよく、多くの国民の政治への信頼を失わせるものである。
【近藤将勝】
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