2025年01月15日( 水 )

八女総合公立病院 八女や広川で地域医療の課題など住民説明会開催

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公立八女総合病院
公立八女総合病院

    八女市と八女郡広川町で構成する公立八女総合病院企業団は、21、24、31日の3回にわたって、八女市と広川町で、同病院の現状や課題について住民に説明する懇談会を開催する。

 懇談会は、公立病院が地域医療にはたす役割などについて住民に理解を深めてもらう趣旨から企業団が企画した。田中法瑞企業長や、同病院に医師を派遣している久留米大学関係者などが説明を行う。

 八女市と広川町で構成する公立八女総合病院企業団の諮問機関「病院機能再整備基本計画策定検討委員会」は2024年10月、公立八女総合病院(以下、八女総合病院)の再整備基本計画策定を行ったが、正式なとりまとめは2月末まで先延ばしされた。

 現在の八女総合病院は1994年6月に建てられ、約30年が経過して老朽化している。また同病院に医師を派遣する久留米大学は16年に、医師不足などを理由に隣接する筑後市立病院との統合を提案した。

 これを受けて企業団は、将来的な両病院の統合を前提に、筑後と八女とで診療機能をわけたうえで、八女総合病院を立て替える方向で検討を行ってきた。計画案によると、新たな病院は企業団が運営し、ホスピス緩和ケアを担う「みどりの杜病院」と統合し、八女総合病院とみどりの杜病院で、現在は330床ある病床を約300床まで減らし、高齢住民が増加している状況を踏まえ、脳や心臓疾患への対応を強化することを打ち出した。また、筑後市立病院との将来的な施設の統合・再編を見据えた敷地の確保を図るとともに、連携強化を図る必要があるとした。

 企業団は、工事にともなう安全面などを考慮し、現地建替えではなく複数の移転候補地を選定。23年8月、企業団議会全員協議会(八女・広川の議員から選出)において、企業団側から基本計画について説明が行われた。そのなかで、広川町の議員から「まずは、筑後市を含めて2市1町で話し合うべき」との意見が出されたという。

 八女市や広川町の財政面や、医師の確保が厳しくなるなか、議会だけでなく市民からも移転にともなう自治体の財政負担の増加を懸念する声が挙がり、同年9月に行われた企業団による八女市議会への説明においても、「住民に説明会もしないで移転を決めるのか」などの声が出されるなど異論が出た。

 昨年11月の八女市長選で当選した簑原悠太朗市長は「筑後地域の広域的な医療体制の在り方について、広川町、筑後市等の近隣自治体ともよく協議するとともに、その意思決定過程を透明化させるため、市民の皆さまに向けた説明会や意見交換会の場を各地域で定期的に設けることで、しっかりと市民の皆さまに議論の経過をご説明してまいります」と12月定例会の所信表明において述べたことも受け、住民説明会が行われることとなった。

 開催日程は、次の通り。

1月21日 広川町町民交流センター大研修室
同  24日 八女市役所黒木支所大会議室
同  31日 おりなす八女はちひめホール
※いずれも午後7時より。申し込み不要。
連絡先 公立八女総合病院企業団事務局・総務課
代表0943-23-4131

【近藤将勝】

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