メディア情報操作の深い闇
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「今年行われる重要な選挙における最大の課題は、日本の主権者がいかにしてメディアによる情報誘導をはねのけるかにあると言ってよい」と論じた1月17日付の記事を紹介する。
昨年の都知事選に立候補した石丸伸二氏が25年の東京都議選に向けて新党を創設したという。1月16日に記者会見を開いたとのことだが、なぜか参加制限がかけられたという。その制限により参加が許された大半は「オールドメディア」になった。石丸氏はその「オールドメディア」のなかで「テレビ朝日」にクレームを付ける予定だったとのことだが、テレビ朝日は会見に参加しなかった模様。
石丸氏はこれまで「オールドメディア」を批判していたのではなかったのか。その石丸氏が「オールドメディア」ばかり集めて会見を行うというのはウケを狙っているとしか思えない。
「党として掲げる政策」が提示されなかったことから、この点についての質問が示された。これに対して石丸氏は「いわゆる党として実現する政策は、ここでは出さない」とし、各候補者が各選挙区で、それぞれ違う政策を掲げていくと説明した。
党の約束事は「2期8年」を任期の上限とすることだけだという。「政党」は特定の政治理念、政策を実現するための組織だと思われるが、1つの政党のなかに主義主張、目指す政策がまったく異なる者が同居して活動しても、政治活動の効果を上げることはできないだろう。
翌1月17日に会見を行ったのがフジテレビの幹部。港浩一社長などの幹部が会見を開いた。会見に多くのメディア、ジャーナリストの参加を許すことが求められたが、フジテレビは「オールドメディア」に参加者を限定した。
ジャニーズ事務所の会見ではNGリストが用意され、都合の悪い質問が出ないように仕組んだことが糾弾された。しかし、石丸氏もフジテレビも同じ手法で都合の悪い質問を排除する行動を示したといえる。
昨年の都知事選で石丸氏が浮上した原動力はSNSだけでない。「オールドメディア」が石丸氏を別格扱いで大報道したことが原動力になった。これは、2012年12月衆院総選挙に向けて「維新」が大宣伝されたことと酷似する。
要するに「大きな力」が加えられて、特定の人物や組織の伸長が図られているということ。この意味で極めて「うさんくさい」。「うさんくささ」で負けていないのが兵庫県の斎藤元彦氏と国民民主党の玉木雄一郎氏。こちらも、「オールドメディア」の大応援があって現在がある。
斎藤元彦氏に対する刑事告発が行われているが、捜査当局の対応が著しく遅い。元播磨県民局長が行った「公益通報」について、斎藤知事サイドが「公益通報」ではないとして取った行動の正当性に異議が唱えられている。
人によって見解が分かれる部分があるが、重要なことは「公益通報」の可能性がある限りは、「公益通報」である場合を想定した対応を取らなければならないとうこと。斎藤知事サイドは「公益通報でない」との前提に立った行動を示したが、この行動の是非が問われている。
問題はそれだけでない。通報を行った者に対する「犯人捜し」を行い、元県民局長のPCを押収した。そのPCに元県民局長の個人データが保存されていたが、その個人データを外部に漏洩した。県知事サイドがその個人データの内容を公表すると脅しをかけた疑いが存在する。何よりも重大な問題は、この元県民局長が自死を選択したということ。個人データを公表するとの「脅し」が原因で自死を選択したとの見方もある。
兵庫県議会が設置した百条委員会には公益通報制度の専門家が招致され、専門家が意見陳述したが、斎藤県知事サイドの対応が法律違反であるとの見解を指摘した。あらゆる問題には賛否両論があるから、反対意見も存在するだろう。しかし、重要なことは権力を握る側が客観的に正当であると認定される対応を示すこと。この意味で県知事サイドの対応が適切でなかったとの評価が正当であるとの印象が強い。
斎藤知事の問題としては元県民局長の通報に対する対応が適正であったのか、個人データの取り扱いが適切であったのか、に加え、公選法違反の疑いがある。これらのすべての問題が未解決である。適正な対応が早急に取られることが強く求められている。
※続きは1月17日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「メディア情報操作の深い闇」で。
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