高島福岡市長、福岡城天守の復元的整備についての報告と提言を受け取る

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高島市長に報告と提言を手渡す山中座長ほか
高島市長に報告と提言を手渡す山中座長ほか

 31日、福岡市の高島宗一郎市長は「福岡城天守の復元的整備を考える懇談会」(事務局:福岡商工会議所)の山中伸一座⾧から、同懇談会がまとめた「福岡城天守の復元的整備について―報告と提言―」の提出を受けた。

 報告と提言は昨年、同懇談会が専門家による複数回の会合や、市民シンポジウム、市民アンケートなどを実施して、それらを総括したもの。提言内容では福岡市に対して、福岡城天守の復元に向けた条件整備として、今後の史資料および文献の調査・発掘調査の実施や、市民の機運醸成のために市民が地域の歴史に触れる機会を創出することなどを求めている。

 提出を受けた高島市長、「天守というのはお城のキモになる部分だと思われますし、天守がなかったとする資料がないとすれば、福岡城が建てられた際に天守が一緒に建てられたと考えるのが自然のように思われます。そこで福岡市としては初めて、天守台の実地調査を行うことにしています。」

    山中座長、「天守が実在していたことを示す資料はたくさん見つかっているものの、天守がなかったとする資料はありません。歴史学的にはすでに福岡城に天守はあったという丸山雍成氏(九州大学名誉教授)の論考が定説になっています。天守台の現地調査によって礎石などについて詳細に調査がなされれば、そこにどの程度の規模の天守を建てられたかなどが実証的に判明します。また、市民アンケートの結果では、福岡城の天守復元に賛成する人が、反対よりも圧倒的に多かった。次の世代に福岡の豊かな歴史をどのように伝えていくかが重要な課題であり、福岡城天守は、歴史を学ぶ場所の象徴となり得るもので期待が高まっています。」

 福岡商工会議所会頭の谷川浩道氏、「佐藤正彦氏(九州産業大学名誉教授)の研究によって天守がどのような姿であったかも推定されています。文化庁の許可が得られるように高島市長にぜひ頑張っていただきたい。」

 福岡商工会議所副会頭の川原正孝氏、「昨年の福岡城ライトアップイベントはとても素晴らしかったです。あのイベントによって、博多部の人間も福岡城天守に対する関心が高まったように思います。」

 高島市長は「3月にも『さくらまつり』の期間にまたライトアップイベントを開催します」と語り、最後に「福岡城天守の復元が実現するには、何よりも市民の後押しが重要だと思います。市民の機運が高まれば次のステップにも進むことができる」との見解を示した。

 市長との会見後の囲み取材で谷川氏は、「これからは福岡市に表立って取り組んでもらうことになりますが、福岡商工会議所としても全面的にバックアップしていきたい」と意気込みを語った。

【寺村朋輝】

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