大宰府政庁跡など日本遺産から除外、県や関係市町から反発の声
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文化庁が認定する「日本遺産」から大宰府政庁跡や次田温泉(二日市温泉)、基肄城(きいじょう)跡など福岡県と佐賀県内の自治体にまたがる「古代日本の『西の都』~東アジアとの交流拠点~」が低評価となり、制度創設以来初の除外対象となった。
文化庁の有識者会議では、日本遺産への新規認定を目指す他地域との「入れ替え」も含めて評価。今月4日、構成団体間の連携が不足しているなどとして「候補地域」への格下げを行った。これに対し県当局や関係市町関係者は困惑、反発しているが、18日、県は関係市町と意見交換を行った。
意見交換会には「西の都」の文化財がある太宰府・大野城・春日・筑紫野・那珂川の筑紫地区5市と宇美町の副市長や担当者が出席した。非公開で行われた会合には、担当副知事の大曲昭恵副知事も出席し「候補地への移行という結論が出たことは誠に残念」「大宰府にかかわる歴史遺産は我が国の成り立ちを語る貴重な遺産」と述べた。
大宰府政庁跡 日本遺産は文化庁が2015年から認定を行っており、104件が認定されている。「西の都」は、大宰府政庁跡を中心に筑紫野市や佐賀県基山町など7市町に文化財が点在している。今回の認定取り消しにより、日本遺産を対象とした補助金の申請ができなくなり、ロゴマーク入りのチラシなどを新たに製作することもできなくなる。
会合に先立ち、13日の県議会一般質問でも今回の件が取り上げられた。質問を行った大野城市選出の井上順吾議員(自民党県議団)は「文化財というものは、スポーツのように『入れ替え戦』を行うようなことはなじまないのではないか」とし、服部誠太郎知事は「甚だ残念である」と述べ、関係市町との意見交換を行う意向を示していた。
関係市議会からも今回の認定取り消しに対し、反発の声などが上がっている。門田直樹太宰府市議会議長はデータ・マックスの取材に「歴史的遺産に国が点数をつけて競わせることに違和感がある」としたうえで「反省として、たとえば水城跡は太宰府だけでなく大野城・春日に至る広大なもので、基山の基肄城を含めて当時の国防の観点からつくられたものだが自治体間の連携が不足していた。再申請を行う際は各自治体が協力して、『よしこれなら』とまとめたうえで申請することが望ましいと思う」と語った。
なお太宰府の観光行政などについて門田議長、地元選出の宮原伸一県議会議員(自民党県議団)のインタビューを近く掲載する予定。
【近藤将勝】
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