久光製薬、27年2月期から5年間で株主還元500億円以上計画

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 10日、久光製薬(株)(本社:鳥栖市、中冨一榮社長)は、2027年2月期~31年2月期までの5年間にわたる「キャッシュアロケーションに関する基本方針」を発表した。

 発表された基本方針によると、27年2月期から5年間で営業キャッシュフローおよび金融資産の活用により2,500億円以上を投資原資とする計画だ。このうち成長投資として設備投資・戦略投資・研究開発投資に計2,000億円以上を充てるほか、株主還元として配当・自己株式取得に500億円以上を投じる。

 同社は、2021年に策定した「第7期中期経営方針」に沿って持続的な企業価値と株主価値の向上を目指しているが、今回新たに策定された基本方針は、その次期となる「第8期中期経営方針」を見据えたもの。

 具体的には、成長投資の内訳として設備投資に500億円以上を計画し、主力製品「サロンパス®」のグローバル市場における成長加速を図るため、世界的な安定供給生産体制の構築やマイクロニードル製剤の量産化などを進める。

 さらに、研究開発投資に800億円以上を投入し、現在開発中の医薬品候補である「HP-3150US」や「HP-6050」などのパイプラインを拡充し、初期開発段階の新規薬剤開発にも積極的に投資する計画だ。

 戦略投資としては700億円以上を投じ、持続的な成長実現に向けて後期開発パイプラインの導入やOTC(一般用医薬品)ブランドの獲得を目指すほか、M&Aを通じて新規事業分野の拡大も視野に入れる。

 一方、株主還元も大幅に強化される。5年間で約450億円を配当に充当し、自己株式取得も機動的に実施していく。これにより、これまで安定的に拡大してきた株主還元をさらに高める方針だ。

 同社はこの方針により、資本効率の向上と事業成長の加速を同時に進め、企業価値のさらなる向上を図るとしている。

【寺村朋輝】

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