九工大、スタートアップ創出で国の事業に採択、10年で120社目指す
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北九州市と九州工業大学(以下、九工大)は12日、九工大が1月に文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されたことを受け、武内和久市長と三谷康範学長が出席して共同記者会見を開催した。
九工大は同事業で、学術界から創出される革新的な技術の社会実装を実現するイノベーション創出大学モデルの構築を掲げる。同ビジョンの実現に向けて、ディープテックシーズを社会実装可能な技術に昇華させる仕組み・体制を整備し、国内外に開放することで、スタートアップ創出や技術移転などを通して学術界から産業界に研究成果を橋渡しすることが可能な世界的な社会実装拠点を目指すとしている。
宇宙(人工衛星)、ロボット、通信など強みとする分野で社会実装を推進し、大学発スタートアップを創出することに注力する。目標として10年間でスタートアップ120社を創出することなどを掲げる。九工大は今後5年間の事業費約55億円の支援を受ける。北九州市立大学、長崎大学と連携するほか、九州大学や台湾科学技術大学など内外の研究機関も参画する。
一方の北九州市は2月、地域の産学連携強化とイノベーション創出に向けた新たな戦略「G-CITY戦略」を制定している。GはGREEN、GLOBAL、GRID(つながり)、 GAKKEN(学研)からとったもの。同戦略は、北九州学術研究都市を核とし、大学の知識と先端産業の技術を融合させ、新たなイノベーションを連続的に生み出すことを目指すもので、以下の5つの柱を方向性として打ち出している。
(1)稼げる学術研究都市:半導体や次世代自動車などの重点産業分野に集中投資を行い、世界トップレベルの研究者を招聘することで、国内外からの資金と人材を呼び込むことを目指す。(2)つながる学術研究都市:国内外の大学・研究機関との共同研究や人材育成を推進し、新たな産学連携施設の整備や研究設備の共有化を図る。(3)集まる学術研究都市:学術研究都市周辺における事業用地の創出を検討し、先端企業や研究機関の集積を促進する。(4)魅力あふれる学術研究都市:アクセスや生活環境の向上、自動運転など先端技術の社会実装を通じて、エリア全体の魅力を高める。(5)世界を巻き込む学術研究都市:海外の大学や企業との連携を強化し、多文化共生キャンパスの実現やグローバルな情報発信を推進する。
同市は、学術研究都市の大学が獲得した外部研究資金(国・民間資金の計)を5年後に50億円、学術研究都市発のスタートアップ起業社数を10年間で30社、学術研究都市への誘致件数を10年間200件とする目標を掲げる。
両者は、地域の産学連携を強化し、世界を牽引するイノベーション創出拠点の形成を通して、地域経済の活性化や新たな産業の創出を図るとしている。
【茅野雅弘】
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