知事不信任案を再度上程か
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「兵庫県の斎藤知事は不信任決議案が可決される場合、県議会解散に打って出る可能性がある」と指摘したうえで「県議会はその可能性をも踏まえて不信任決議案の上程を決定するべきである」と訴えた3月19日付の記事を紹介する。
兵庫県の斎藤知事の内部告発文書をめぐり県の委託を受けて調査を行った第三者委員会が3月19日に報告書を公表した。報告書は斎藤知事の言動がパワハラであったと認めるとともに、県民局長による外部通報が公益通報に該当することを認定した上で、県が通報者捜しを行ったこと、ならびに県民局長の公用パソコンを回収したことが公益通報者保護法に違反すると認定した。県議会が設置した百条委員会の報告書よりも明確な結論を示したことになる。
第三者委員会の委員が適正に選定されたのかどうかに懸念が存在したが、当該第三者委員会は日弁連の指針に基づき、適正に委員が選定されて設置されたものであることが判明した。
第三者委員会は、兵庫県弁護士会が「県との利害関係が無い」などの条件をもとに推薦を受けた藤本久俊委員長ら3人が「委員」として判断を担い、さらに調査の実務を補佐するため、追加で3人の弁護士が「調査員」としてサポートする体制を構築して組織された。
藤本委員長を含む委員の3人は全員が元裁判官。昨年7~8月に準備会議が開かれ、9月18日に初回の会合を開催。法律の専門家として約半年間、関係者への聞き取りや資料精査により調査を実施した。法律の専門家が十分な調査を行ったうえで示した今回の報告書の意味は重い。百条委報告書の内容が法律専門家からお墨付きを得たかたちになった。
この問題の核心は昨年3月12日ごろに行われた県民局長の外部通報に対する斎藤知事を中心とする県幹部の対応が適正であったのかという点にある。外部通報の形態が取られたが、第三者委報告書は、県民局長による文書配布を公益通報者保護法上の外部公益通報(3号通報)に該当すると認定した。
告発文書の対象は斎藤知事であり、被告発者である斎藤知事は当該文書の取り扱いについて、極めて慎重な対応が求められた。ところが、斎藤知事は県民局長が外部通報を行った事実を把握すると、片山安孝副知事などに対して直ちに通報者探しを指示し、通報者として県民局長を特定し、公用PCを押収した。この対応がそもそもの問題である。県民局長による外部通報が公益通報に該当する場合には、通報者探しの行動は違法になる。
第三者委員会は外部通報文書に〈真実相当性〉を認めた。〈真実相当性〉がある通報文書であれば〈公益通報〉である可能性を考慮することが必要であり、慎重な対応が必要になる。ところが、斉藤知事を筆頭とする県幹部は直ちに犯人捜しを実行して情報発信者を特定。県民局長が発信元であることを突き止めて3月25日に県民局長(当時)の公用PCを押収。3月27日、県は県民局長の3月末での定年退職を保留とし、斎藤知事は記者会見で「業務時間中なのに嘘八百含めて文書を作って流す行為は、公務員としては失格」と述べた。
※続きは3月19日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「知事不信任案を再度上程か」で。
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