斎藤元彦知事問題の核心
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NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「兵庫県の斎藤知事が公益通報者保護法に沿って適正な対応を示していれば、かけがえのない何人もの命が失われずに済んだ」と指摘する3月24日付の記事を紹介する。
兵庫県の斎藤知事をめぐる問題の全容がほぼ明らかになった。問題の焦点は、昨年3月に元県民局長による外部通報が公益通報者保護法における公益通報に該当するものであったのかどうかという点にある。
県民局長による通報が公益通報に該当する可能性があるなら、県は公益通報者保護法に沿う対応を取る必要があった。外部通報が行われた時点で同通報が公益通報に該当すると直ちに判明できない場合、公益通報に該当する可能性があれば、公益通報である可能性を踏まえた対応を示す必要があった。
現実には斎藤知事を筆頭とする県幹部は、当該文書を把握した時点で、直ちに「誹謗中傷文書」だと断じて通報者探索を実施。通報者を特定して公用PCを押収。懲戒処分を前提に3月末での同県民局長の退職を保留した。同時に記者会見で斎藤知事は「嘘八百」、「公務員として失格」と発言した。
元県民局長は4月4日に県の公益通報窓口に正式に公益通報として通報した。しかし、兵庫県は元県民局長に対する懲戒処分を強行した。仮に、県民局長による外部通報が公益通報に該当するものであるなら、知事を筆頭とする県の対応は違法となる。
この判定を求めるために斎藤知事は県議会の百条委員会とは別に第三者委員会を設置。その第三者委員会が報告書を公表した。第三者委員会は県民局長による外部通報を公益通報者保護法が定める〈外部通報〉=〈3号通報〉と認定した。その上で、斎藤知事以下の幹部が取った対応を公益通報者保護法に反する違法行為だと断じた。
斎藤氏を擁護する人々は県民局長の告発が〈不正の目的〉によるもので〈公益通報〉に該当しないと主張してきたが、第三者委員会はこの点についても精査。〈不正の目的〉とは言えないと断じた。
最大の問題は斎藤知事サイドの当初の対応にある。告発文書は斎藤知事の言動に関するもの。斎藤知事は被告発者であるとともに兵庫県政のトップに位置する者である。この立場にある斎藤知事であるから、斎藤知事本人に対する告発の文書を把握した時点で、特段の配慮をもって対応する必要があった。自分に向けられた告発であるから、最高権力者としての行動として、万が一にも公益通報者保護法に反する対応を取ることを慎重に回避する必要があった。当該文書が公益通報に該当する可能性があるのかどうかを適正なプロセスを経て判定し、その上でその判定に基づく対応を取る必要があった。
※続きは3月24日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「斎藤元彦知事問題の核心」で。
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