ゆ党に投票してはいけない

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 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「夏の参院選では政策公約を吟味して投票先を決めるべきだ」と訴えた4月12日付の記事を紹介する。

 7月実施が見込まれる参議院議員通常選挙に主権者である国民はどのように対応すべきか。重要問題は山積している。第一は経済問題。最重要テーマは減税。第二は政治とカネ問題。企業団体献金を禁止するべきか。第三は高額療養費問題。すべての国民が必要十分な医療を受けられる仕組みを国民皆保険制度と呼ぶが、この制度の根幹がぐらついている。

 主権者が取るべき態度は〈政策を基軸に〉投票先を決めること。現在の政治状況で見落とせないことは〈野党のゆ党化〉。〈ゆ党〉の定義は〈見かけは野党、正体は与党〉である。

 衆院与党は過半数を大きく割り込んだ。野党が結束すれば、衆議院で上記三大テーマについて与党の方針を覆すことができる。しかし、実現していない。理由は明白だ。〈ゆ党〉が〈与党〉と手を握っているからだ。

 〈ゆ党〉を産み、育ててきたのは日本の支配勢力。日本の支配勢力の中核は米国。〈米国が支配する日本政治構造〉を維持しようとする勢力がメディアを動員して〈ゆ党〉を産み、育ててきた。

 2008年にフジテレビが「CHANGE」というテレビドラマを制作。〈ゆ党〉創設に向けて下地を作った。この工作の延長上で創設されたのが「みんなの党」。しかし、期待した成果を上げられず2009年の鳩山由紀夫内閣誕生を阻止できなかった。

 しかし、工作活動は継続された。与党の経年劣化が鮮明になるなかで、鳩山内閣のような〈革新政権〉が二度と生み出されぬように〈ゆ党〉の創設と育成に力が注がれてきた。その延長線上に〈維新〉、〈都民ファースト〉、〈国民民主〉、〈石丸新党〉などがある。

 2017年に誕生した立憲民主党は革新政権を生み出す可能性があった。そこで立民に介入して立民の右旋回を実現させた。枝野幸男氏は2021年総選挙に際して「共闘する対象は国民民主と連合で、共産、れいわ、社民は共闘対象でない」ことを表明。立民の凋落が始動したのは、この枝野発言が契機だ。

 国民生活を支えるために、いま最重要の施策が減税。核心は消費税減税だ。ところが、立民幹部が声を揃えて消費税減税反対の主張を展開している。

 野田佳彦氏は減税を「将来世代からの搾取」と述べた。枝野幸男氏は消費税減税について「参院選目当てとしか言いようがない、無責任なポピュリズムだ」と述べた。枝野氏は「給付であれ減税であれ、財源を明確に示さないのは国民生活にマイナスだ」と主張した。二人が財務省と手を握ったことが明白になった。枝野立憲は消費税減税を公約に掲げていた。枝野氏はボケが深刻だ。

 財源を示そう。2020年度から24年度までの4年間に一般会計税収が12.6兆円増えた。12.6兆円の自然増収が生まれた。この自然増収を財源にすればよい。地方を含めて15兆円を超える。消費税率を5%に引き下げるのに必要な財源は15兆円。ぴったりだ。

※続きは4月12日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「ゆ党に投票してはいけない」で。


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