トランスジェニック、25年3月期決算 営業赤字と特損で赤字転落 来期は黒字予想

 16日、(株)トランスジェニックグループ(本社:福岡市中央区、福永健司代表)は25年3月期の連結決算を発表した。それによると、売上高は130億500万円(前期比0.6%減)、営業利益は2億5,900万円の損失(前期は8,900万円の黒字)、経常利益は3億1,900万円の損失(同1億800万円の黒字)、当期純利益は10億8,900万円の損失(同400万円の黒字)で、減収と赤字転落となった。

 決算要因としては、まず創薬支援事業で24年10月に(株)新薬リサーチセンターと(株)安評センターを合併し、(株)トランスジェニックとして体制を再編したものの、受注は好調でも多くの試験が来期完了予定となったため、当期売上には結びつかなかった。また、TGR試験の受注も想定を下回り、恵庭研究所から磐田研究所への事業集約に想定以上のコストを要したことや、事業合理化に係る費用6,083万4,000円の計上も影響し、赤字幅が拡大した。この結果、創薬支援事業の売上高は18億9,600万円(前期比18.2%減)、営業損失は4億8,800万円(前期は1億3,800万円の赤字)となった。

 一方、投資・コンサルティング事業では、2024年4月に子会社化した東北新和化学(株)の寄与に加え、価格転嫁や新規開拓が奏功し、売上高は111億1,500万円(前期比3.2%増)、営業利益は4億3,800万円(同2.1%増)と増収増益を確保した。

 子会社である(株)トランスジェニックの一部設備について、当初想定していた収益が見込めなくなったとして減損処理の結果、減損損失 2億2,800万円が発生した。また、トランスジェニック磐田研究所において、一部の職員による受託試験の試験データに係る不正が判明し、顧客への補償と再試験費用等の今後の発生見積額3,800万円が発生した。その他、のれん償却額5,100万円を合わせて、総額3億7,800万円の特別損失を計上し、営業赤字と合わせて、最終損益で大幅な赤字の要因となった。

 来期(26年3月期)の業績予想については、売上高は135億円(前期比3.8%増)、営業利益は1億5,000万円、経常利益は9,000万円、当期純利益は4,000万円で、黒字転換を予想している。

【寺村朋輝】

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