不登校「26人に1人」の現実──支援の量と質の拡張が求められる

 文部科学省が29日に発表した2024年度の小中学生の不登校は35万3,970人と過去最多で、12年連続の増加となった。とりわけ実態を表すのは、児童生徒26人に1人が不登校という状況だ。学級のどこでも直面する不登校は、特定の一部の問題ではなく、ほとんどの学級で発生している一般的な課題となっていることが分かる。

 内訳は小学校13万7,704人、中学校21万6,266人。主因は「無気力・不安」54.4%で、いじめ1.4%、友人関係13.2%となった。背景には、メンタル面の弱さが顕在化しやすい環境や、学校で「居場所」や関係性を築けず登校のきっかけを得られないことなどが挙げられる。

 また、現場では支援人材の不足が深刻だ。教室外の「居場所」整備も遅れており、学校の雰囲気や硬直的ルールに息苦しさを訴える声も根強い。今後の対策としては、復帰前提の支援からの転換が迫られている。フリースクールやオルタナティブ、在宅学習など多様な学びを制度的に支える必要があるだろう。また、就学援助・私学助成の適用範囲見直しなども含めて早急な取り組みを求めたい。

【内山義之】

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