【2025年9月】行政処分や指名停止(89件)監督官庁・自治体公表の企業

 企業におけるコンプライアンスの重要性が増しており、経営上のリスクを低減するためには、さまざまな企業情報の収集と分析が不可欠な時代となりました。データ・マックスでは、監督官庁や地方自治体が公表した行政処分や指名停止などの情報をデータベース化し、毎月まとめたレポートを配信しております。

 2025年9月判明分は、①監督官庁による公表(全国対象)が48件、九州に特化した情報として、②福岡労働局や九地整、九州運輸局、自治体による公表分が41件、合計89件を確認しました。主な傾向とポイントをまとめ、企業リストを会員限定にて掲載します。本レポートが経営判断のリスクを学ぶ機会となれば幸いです。

2025年9月の法令違反事例分析レポート

  • 1. 独占禁止法違反による大型処分が相次ぐ

     公正取引委員会は、自動車関連の製造・流通業者3社に対して独占禁止法違反(不当な取引制限/優越的地位の濫用)に基づく厳正な処分を相次いで発出した。3社合計の課徴金は約61億5,000万円にのぼり、事業慣行の是正と内部統制の強化が強く求められる内容となっている。

  • 2. マンション管理費の着服と虚偽報告で監督処分

     国土交通省近畿地方整備局は、東京都内のビルメンテナンス業者に対し、マンション管理適正化法に基づく監督処分を行った。元従業員による管理組合財産の着服に加え、会計報告や管理事務報告にも虚偽の記載を行い、組合に提出していたことが発覚した。

  • 3. 建築確認機関検査員のミスで5機関に監督命令

     国土交通省は、全国の指定確認検査機関5社に対し、建築基準法等に基づく監督命令を発出した。確認検査員が基本的な法令適合要件を見逃したまま確認済証や検査済証を交付する重大な過失が発生しており、資格者としての能力や注意義務が厳しく問われている。

  • 4. 贈賄容疑で逮捕 土木業者に9カ月の指名停止

     沖縄県は、県内の土木工事業者に対し、競争入札への参加を9カ月間停止する措置を講じた。とくに地方自治体が発注する物品や施設整備においては、発注側と受注側の癒着は厳格に排除されるべきものであり、今月公表された九州内の自治体による指名停止のなかで最長となる処分である。

  • 5. ガバナンスなき社名変更の危うさ

     (4)の業者に加え、助成金の不正受給で福岡労働局から返還を求められているテレマーケティング業者は、不正の公表とほぼ同時期に社名を変更している。だが、社名変更だけでは問題の解決にはならない。信頼回復には、経営改革や再発防止、組織風土の見直しといった実質的な改善が不可欠であり、それがなければ“隠蔽”と見なされ、さらなる信用失墜を招きかねない。

  •  以上の事例は、下記の企業リストからの遷移で詳細を確認することができます。

      

企業リスト(89件)

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