東芝が約1万名のリストラ断行~今期、最悪の最終赤字5,500億円
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東芝(株)(本社:東京都港区、室町正志代表執行役社長)は21日、国内外で計1万600名の人員削減、パソコン、映像、家電の各事業の縮小・撤退などを実施する「新生東芝アクションプラン」を発表した。
計1万600名の人員削減は2015年度中、すなわち16年3月末までに断行する予定。内訳は、半導体部門ディスクリート・システムLSI事業2,800名。ライフスタイル部門は、パソコン事業1,300名、映像事業3,700名、家庭電器事業1,800名の計6,800名。コーポレート部門で1,000名。国内で削減される5,800名については、500名を要強化部門へ移動。5,300名については人員再配置および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施するとしている。なお、海外の削減人員は4,800名。
パソコン事業ではBtoB、BtoCの2事業部体制を統合し、海外拠点を13拠点から4拠点に集約。また、社内カンパニーのパーソナル&クライアントソリューション社を100%子会社の東芝情報機器(株)に会社分割により承継する。テレビ事業では、インドネシア工場を中国スカイワース社へ売却。売却金額は、現時点で約2,500万米ドル(約30億円)と試算している。
また、エジプトのテレビ工場は、株式を売却し、出資比率を10%にまで引き下げ、非連結化する。海外ではブランド供与型ビジネスへ移行する考え。家庭電器事業では、インドネシア工場の土地・建物などの売却にともない、国内外での二槽式洗濯機の自社製造・販売を終了。また、開発拠点であった青梅事業所を閉鎖・売却する。
同社は、15年度中に行う構造改革の費用として2,600億円を計上するとしており、16年3月期の業績予想は、売上高6兆2,000万円、営業損失3,400億円、最終損失は過去最悪となる5,500億円の見込み。剰余金は6年ぶりとなる無配。さらに、株主資本が4,300億円(前期比60.3%減)となり、長期の支払能力を計るNet D/Eレシオは340%(前期105%)に悪化する。今回のリストラで企業体質を強靭化し、信頼回復を目指す同社。財務体質の改善につながるかどうか、大きな岐路に立たされている。
【山下 康太】関連キーワード
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