業界の課題にチーム・ウエムラで挑む 福岡トップゼネコンの矜持|上村建設

<COMPANY INFORMATION>
上村建設(株)

代 表:上村英輔
所在地:福岡市博多区住吉4-3-2
    博多エイトビル7F
設 立:1959年2月
資本金:1億円
TEL:092-475-6551
URL:https://www.e-uemura.jp(上村建設)
URL:https://www.uemuragroup.jp(ウエムラグループ)


【目次】

23年までの第1次中計
大幅に上振れして着地

上村建設(株)    地場大手ゼネコン・上村建設(株)を中核とするウエムラグループでは、設立60周年を機に第1次中期経営プランを策定。最終期となる2023年10月期は、単体売上高300億円、グループ売上高394億円を計上するなど、掲げた目標を大きく上回る結果を残した。24年10月期からは、第2次中期経営プランに取り組んでおり、中計2期目の25年10月期はグループ売上高401億円、経常利益26億円を見込む。

 賃貸マンション建設を主力に手がける同社の代表取締役社長・上村英輔氏は、「福岡都市圏においても将来的な人口減は避けられないでしょう。そうなると、当然ながら賃貸マンションの需要も減少し、『賃貸しかつくれません』という建設会社は間違いなく淘汰されてしまいます」と危機感をにじませる。

 続けて、「建設不動産グループ企業として、企画力や技術力を磨きながら、さまざまなものにチャレンジしていかなければ、未来はないと考えています」(上村社長)と話し、次代に向けた投資に力を入れていることを強調する。

 これまで同社では、賃貸マンション建設が完工高の大部分を占めていたが、物流倉庫やオフィスビル・商業施設など事業用施設の領域にチャレンジしている。当然、得意とする賃貸マンション建設も継続的に強化しており、グループで不動産事業を手がけるハッピーハウスの管理戸数は3万戸超にまで増加。その結果、第1次中計の初年度(19年度)から5年間で、グループ売上高は44%の増加をはたした。

協力会との共存共栄へ
建設業を「選択肢に」

 加えて強調したのが、24年に発足50周年を迎えた同社の建設協力会・上栄会との連携強化だ。建設業界は慢性的な人手不足の状況が続いており、少子高齢化が進むなかで深刻さは増してきている。上村社長は、「業界の人手不足は当社のようなゼネコンよりむしろ専門工事業者、つまり協力会社のほうがより深刻で、専門工事業者の成長がなければ我々の発展もありません。当社と上栄会は同じ船に乗った運命共同体で、成長のためには上栄会との強固な信頼に基づいた共存共栄の関係が必要不可欠です」と述べた。

 そこで、同社が牽引役となって上栄会の採用促進に向けた動きも活発化させてきた。24年には、ウェブサイト「U-buddy(ユーバディ)」を開設。上栄会会員企業の求人情報を業種・エリア・雇用形態から検索できるほか、会員企業で働く職人へのインタビューや1日のスケジュールなども個別に公開している。


建設業未来展望フォーラム
Craftsmanship 2025の様子

    また、今年6月には建設業に関わる多くの職種が一堂に集い、学生が建設業に従事するさまざまなプロフェッショナルと直接交流し、建設業の仕事内容・現場の技術などを肌身で体感できる「体験型」のイベント「建設業未来展望フォーラム Craftsmanship 2025」を初開催。このイベントには学校関係者の協力もあり、福岡県内の工業系高校・専門学校・短期大学など9校約420名の学生が参加した。上栄会からは24社が参加し、「鉄筋」「造作」「タイル貼り」「左官」など全17職種の体験ブースでの技術体験やトークセッションを行った。

建設業未来展望フォーラム Craftsmanship 2025の様子建設業未来展望フォーラム Craftsmanship 2025の様子
建設業未来展望フォーラム Craftsmanship 2025の様子

 開催は「体験を通して学生に建設業を就職の選択肢の1つにしてほしい」「業界の課題解決に協力会と一緒に取り組み関係強化につなげたい」(同社)と考えてのことだという。また、「来年も開催することが決定しており、会場の規模を大きくして、内容も充実させていく。何より継続していくことが肝心だと思っている」(同)。

 さらに、協力会との関係強化では、協力会社が持つ年間の受注容量と月次で抱えている仕事量を同社と共有し、人員などの適切な配置によって年間通して仕事が切れ目なくある状態をつくり、人材不足の解消と同時に協力会社の業績安定にもつなげていく。

中計最終年の28年に
グループ売上高455億円へ

 第2次中計で掲げたビジョンは「あなたの街を もっと住みたい街に ~Make U Happy~」。自己利益の実現だけではなく、顧客である「オーナー・入居者の幸せ」、そして協力業者を含めた「社員の幸せ」、さらには「地域社会の幸せ」の三方良しを目指すという。

 実現していくための戦略として、「ワンストップソリューション提供体制の強化」「賃貸マンション事業以外の強化」「新事業・サービスの模索」「人的資本の充実と生産性向上」「サステナビリティ対応」などを挙げている。

同社が手がける規格型賃貸マンションシリーズ「プレアev」
同社が手がける規格型賃貸マンションシリーズ
「プレアev」

    なかでも「人的資本の充実と生産性向上」では、人、働き方に焦点を当てた社内外の課題解決と人材への投資を積極的に行っていく。とくに労働環境が厳しくなっている工事部門に光を当て、最適な人員配置、現場環境整備、各種手当などの支援も手厚くするなど改善策を実行に移す。また、生産性向上に向けた建設DXにもアクセルを踏み、施工管理アプリやBIMの導入を本格化させ、協力会社も含めた現場全体の業務効率化に取り組む。

 これらの施策を推進し、第2次中経の最終年となる28年度では、単体売上高352億円、グループ売上高455億円の達成を目指している。


<求人情報>
上村建設(株)

上村建設(株) 求人情報業 種:総合建設業
職 種:施工管理、設計、リニューアル、営業
勤務地:福岡県内(本社及び各事業所)
採用担当:斉藤、森
TEL :092-475-6551
採用ページ:https://www.e-uemura.jp/recruitment/

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