福岡県太宰府市長選は14日投開票され、無所属新人で元市総務部長・高原清氏(自民・公明推薦)が、いずれも無所属新人で元市議・森田正嗣氏、元大学職員・藤田敏幸氏を破って初当選した。投票率は42.97%。
2期務めた現職の楠田大蔵市長が不出馬と来年1月末の任期満了前の退任を表明したことから、市長選は無所属新人3人による戦いとなった。
高原氏は、楠田市政を評価したうえで、老朽化した公共施設の計画的な整備や地域に適した公共交通の構築、人権尊重のまちづくり推進基本指針の取り組みの充実などの課題解決を掲げた。地元の自民・社民県議や、自民、公明両党、各種団体の支援を受け、安定した選挙戦を展開した。
森田氏は「市民派」として子育て支援や高齢者の安心生活を支えることなどを訴えたが、支持が広がらなかった。
市長選と同日に行われた市議会議員選挙(定数18)では、新たな議員の顔ぶれが決まった。定数18に対し、25人が立候補する大激戦となった。
当選したのは前職12人、元職1人、新人5人。党派別では、国民民主党1人、公明党2人、れいわ新選組1人、共産党1人、地域政党「市民政党寄り添う太宰府」が1人、無所属12人(無所属には自民系も含まれる)。
トップ当選は、昨秋の衆院選に無所属で立候補した元市議でプロレスラーのタコスキッド氏で、2,896票を獲得した。同氏は、公園やバス停に日陰とベンチを増やすことや、市内事業者を優先して公共事業を積極的に進めることなどを掲げて選挙戦を戦った。
次いで国民民主党公認でフリーカメラマンの岡林なおと氏が1,445票を獲得した。同党が掲げる「手取りを増やす」をアピールし、市民税の控除額を最低賃金上昇率に合わせて引き上げるなどを公約に戦った。選挙戦最終日には、玉木雄一郎代表も応援に駆け付けた。
このほか、公明・共産以外では、れいわ新選組の川口ちかまる氏も747票を獲得し当選をはたした。同氏は27歳で最年少の市議誕生となる。
市長選では自民・公明が推薦し、社民の県議も応援する元市幹部が当選した一方で、市議選では、積極財政を掲げるれいわと国民両党の候補が当選した。今回の結果は、既存政党の政治に不満を持つ層が顕在化していることを表している。
無所属には保守系とリベラル系とがいるが、今回の改選により太宰府市議会の勢力構図が一変したことで、新市長との距離感、政策実現など今後が注目される。
<当選者一覧>
1 タコス キッド 市民政党寄り添う太宰府 2,896票
2 岡林 なおと 国民民主党 1,445票
3 おばた 真由美 公明党 1,380票
4 くわ 満晴 無所属 1,339票
5 今泉 よしふみ 無所属 1,338票
6 神武 あや 日本共産党 1,253票
7 原 しんじろう 無所属 1,144票
8 さかい 剛 公明党 1,132票
9 馬場 れい子 無所属 1,103票
10 木村 あきと 無所属 1,095票
11 陶山 よしひさ 無所属 1,093票
12 いりえ 寿 無所属 1,052票
13 はせ川 公成 無所属 1,051票
14 原田 久美子 無所属 1,020票
15 門田 なおき 無所属 999票
16 かさり つよし 無所属 935票
17 川口 ちかまる れいわ新選組 747票
18 せづつ 義久 無所属 735票
【近藤将勝】








