福岡県・太宰府市議会で政変~市民派議員が主要ポスト獲得

 福岡県太宰府市議会は、14日に投開票された市議選の結果を受けて、23日、臨時議会を開催し、議長に公明党の小畠真由美議員(5期)、副議長に木村彰人議員(4期)を選出した。同市で女性議長は初めてとなる。

 改選結果を受けて複数の地元関係者を取材したが、いずれも衝撃を受けていた。「数で保守系とリベラル市民派が拮抗していた」からである。議長・副議長や常任委員長に誰が就任するのか、その去就が注目された。

 太宰府市議会の議員定数は18人だが、正副議長は互選で決定する。各常任委員会の正副委員長は、委員会ごとに互選で選出し、本会議場で報告が行われた。

 保守系と市民派が拮抗している状況で、新人議員が保守系・リベラル市民派どちらにつくのかが注目されたが、多くがリベラル市民派についたことにより、議会運営の要である議会運営委員会・総務文教委員会の正副委員長を市民派議員が獲得した。

 公明党の議長も異例であるが、国政において自公連立を解消したとはいえ現状、福岡県では自民との関係性は維持されている。ただ中央において立憲への接近もあり、今後どうなっていくかは未知数である。

 太宰府市は、老朽化した公共施設などインフラの維持管理、公共交通、オーバーツーリズムなど課題山積である。2期8年務めた楠田大蔵市長は、市長を31日付で退任するが、1月から市長に就任する高原清氏に引き継がれる。議会との関係性が重要であることはいうまでもない。

 今回の結果を受けてリベラル系市議は「大変喜ばしい結果。議会が変わる」と語った一方、保守系市議は「今後の議会が懸念される。市長との関係などどういう展開になるか。おかしな動きには反対しなければならない」と力を込めた。

【太宰府市議会正副議長・常任委員長】
 議長:小畠真由美(公明党)
副議長:木村彰人(市民派)
【議会運営委員会】
 委員長:笠利毅(市民派)
副委員長:原紳次郎(市民派)
【総務文教委員会】
 委員長:神武綾(共産党・市民派)
副委員長:馬場礼子(市民派)
【環境厚生委員会】
 委員長:長谷川公成(保守系)
副委員長:タコスキッド(市民派)
【建設経済委員会】
 委員長:入江寿(保守系)
副委員長:今泉義文(保守系)

【近藤将勝】

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