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23日、癌のため死去したハローデイHDの加治敬通社長(61)は、2代目ながら九州を代表する高質スーパーに育て上げた実質創業者だった。
加治氏は駒澤大学経営学部を卒業後、静岡県のスーパーで修行し1989年、実父の設立したハローデイ(旧・加治屋商店)に入社。北九州市小倉南区の一介のスーパーだった同社を生鮮の鮮度と豊富な品ぞろえを特徴とする高質スーパーに変身させた。
北九州圏は国内で初めて食品のセルフ販売を始めた丸和をはじめ北九州丸食(現・サンリブ)、スーパー大栄(現・ゆめマート北九州)、スピナ(現・西鉄ストア)などがひしめいていたが、大半は身売りや経営破綻で姿を消していった。ハローデイが生き残ることができたのは、ひとえに加治氏の経営手腕による。通常の食品スーパーより一回り大きい売場をつくり生鮮にスペースを割く一方、惣菜の重要性に着目しホテルのシェフを招聘、品質と味覚の向上を図った。独創的なデザインの店舗内装と相まって、一時は「日本で一番見学者の多いスーパー」と言われ、同業者の視察が絶えなかった。
2000年代に入ると福岡都市圏に進出し、16年にはボンラパスを買収した。ディスカウントストアとドラッグストアが台頭するなかでも高質路線が揺らぐことはなかった。コロナ禍後は低価格志向の高まりで同社の業績は伸び悩み、次の一手を模索していたと思われる。志半ばで倒れたのが惜しまれる。
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