樋口総合研究所、福証「Fukuoka PRO Market」に重複上場
未経験エンジニア育成とM&Aで九州展開を加速
ITエンジニアリング事業を展開する株式会社樋口総合研究所(本店所在地:神奈川県相模原市)は2025年12月26日、福岡証券取引所の特定投資家向け市場「Fukuoka PRO Market」へ新規上場した。同社はすでに東京証券取引所にも上場しており、今回の福証上場により重複上場を果たした。
同日行われた上場式および記者会見で、代表取締役社長の樋口陽平氏は、九州進出と福証上場の狙いについて「優秀な人材の確保と教育拠点の展開にある」と説明した。異業種出身の未経験者を自社で教育し、エンジニアとして育成・輩出する独自の人材育成モデルを強みに、九州・福岡での事業基盤構築を進める考えだ。
福証上場の主な狙いとして同社は、福岡の若年層のポテンシャルを生かした人材の地産地消モデルの構築を掲げる。現地で採用・育成したエンジニアを地元企業に提供することで、地域経済とIT人材育成の好循環を目指す。あわせて福岡に事務所を設置し、地元経営者ネットワークを活用して九州全域での取引先開拓を進める方針だ。
M&Aを成長の加速装置に
同社は単体事業の成長に加え、M&Aを成長戦略の柱に据えている。第15期(2025年5月期)実績を踏まえ、今期(2026年5月期)では成長軌道の確立を目指すとともに、第18期(2028年5月期)には連結売上高40億円(単体目標16億円)の達成を掲げる。
M&Aのターゲットは、ITエンジニアリング業界の企業を中心に、①自社が未開拓の顧客基盤やクラウド案件を持つ企業、②安定した案件を有しながらも採用・育成に課題を抱える企業、③九州・福岡に拠点を持ち、現地での採用や営業の足掛かりとなる企業としている。自社の採用・教育力を組み合わせることで、シナジー創出を図る考えだ。
上場式では、福岡証券取引所の伝統行事である「銅鑼(どら)」を打ち鳴らすセレモニーが行われた。一般的に上場式といえば鐘を鳴らす演出が知られるが、福証では古くから銅鑼を用いる慣例がある。樋口社長らが力強く銅鑼を打ち鳴らすと、会場には重厚な音が響き渡り、新たな門出を祝う拍手に包まれた。
祝辞に立った福岡証券取引所理事長の犬塚雅彦氏は、同社が「アジアの玄関口」である福岡を拠点に選んだ点に触れ、将来的なアジア展開も含めた発展に期待を示した。これに対し樋口社長は、「本日の上場を機に、上場企業としての自覚と責任を持ち、社会に貢献する経営を目指したい」と決意を述べた。
【児玉崇】








