【シリーズ予告】西部ガスHD研究~M&A戦略転換で、多角化から本業重視へ
西部ガスホールディングス(株)が推進してきた、M&Aによる事業の多角化戦略が岐路に立たされている。
M&A戦略は2008年4月から西部ガス(株)の代表取締役社長(10代目、13年~19年3月まで代表取締役会長)を務めていた田中優次氏が強力に展開。しかし、現社長(13代目)の加藤卓二氏は、再び「本業回帰路線」へ舵を切り始めているのだ。
田中氏の在任当時、エネルギー自由化などにより、主力のガスエネルギー事業が九州電力グループなどほかの事業者との競争激化にもさらされていた。同氏はその対処策としてM&A、事業多角化を推進。現在では主な関連会社だけで50社以上(西部ガスHDホームページより)を傘下に収めるグループとなった。なお、田中氏は20年9月、コロナ禍のなかで急逝されたが、NetIBでは「西部ガスの中興の祖」として報道している。
「中興の祖」の役割を担った西部ガス元会長 田中優次氏(19年4月15日掲載)
しかし、収益貢献度が乏しい企業も散見されるなど、必ずしも成功しているわけではない。たとえば九州八重洲(株)は08年にグループ入りし、戸建やマンションを供給しているが、住宅需要の低迷を受け近年、事業規模と収益が縮小。人材流出が顕在化し、経営の安定性を損ないかねない状況にある。昨年末には、そうした状況を憂う現役社員らから告発文書(掲載PDF)が(株)データ・マックスにもたらされるなど社内が揺れている。
西部ガスHDは福岡県内の主要企業の集まり「七社会」の一角を占め、その事業の状況は福岡県、九州エリアの経済界への影響が大きい。そこで、データ・マックスでは、西部ガスHDの多角化戦略のこれまでと現状、今後について複数回にわたる連載を行うこととし、現在、取材・分析を進めている。
【特別取材班】









