ギアが入った公明票(学会票)で中道改革連合が猛追、高市自民圧勝を阻止できるか

中道改革連合

 2月4日に柏駅前で中道改革連合が街頭演説を開き、旧公明の岡本三成共同政調会長と旧立憲民主の本庄知史共同政調会長(千葉8区)がそろい踏みをした。駅に隣接する2階デッキは黒山の人だかりで、高市首相街宣の聴衆総数には及ばないものの、人の密集度では引けを取らなかった。

 そんな街宣後、本庄氏に「すごい人が集まっていた」と切り出すと、「熱気を感じた」と回答。そこで「世論調査では中道改革連合半減という予測も出ているが、今日の熱気を見ると、だいぶ現場と乖離しているように見える」と続けると、こう解説をしてくれた。

「だんだんボルテージが上がってきたという感じです。私も先週は全然雰囲気がなくて、だけど今週に入って、昨日、一昨日ぐらいから選挙の空気が出て来て、我々に対しての応援の感じが出て来た。これから三日間でグーっといければ、形勢はかなり変わると思います」

 続いて私が「(街宣を聞いていた)3組から4組のグループに声をかけたら、みんな学会員の方だった」と指摘すると、本庄氏はこんな説明をしてくれた。

「いまの集まりは多分そういう人たちが中心。その前、野田共同代表が来た時は一般の方や私の応援団や後援会が中心でした。今日17時と19時と二回(街宣を)したのです」

 二回目の午後7時からの街宣は旧公明の岡本氏が一緒だったので、公明支持者(創価学会員)が多かったということだが、「けっこう人が集まっていた。学会の組織力はすごいなと思った」と述べると、本庄氏も同じ見方をしていた。

「すごいですよ。しかも若い人がけっこう多い。何か、こっちもパワーをもらえる」

    実際、若い女性グループが「中道」と書かれたうちわを持って集合写真を撮っていたので、聞いてみると、学会員で「今日、うちわを作ってもってきました」と教えてくれた。この話も本庄氏に伝えると、「すごいいいですね」と言って、最後に「選挙は最後の3日です」とラストスパートへの意気込みを語って締めくくった。

 千葉8区は自民の松本泉候補と本庄氏が競い合う展開だが、公明票の動向が選挙結果に大きな影響を与える可能性があるのだ。

 前日(3日)午後7時からの桜木町駅前での合同街宣も、同じような黒山の人だかりが出来ていた。

 ここも岡本共同政調会長と神奈川選挙区の中道候補が街宣車上に並んだ。1週間ほど前に野田共同代表と公明党の西田幹事長が同じ場所で合同街宣をした時は若干の空きスペースがあったが、この日の密集度は高市街宣並みで、1週間前に比べ倍以上の聴衆が集まっていたように見えたのだ。

 しかもペンライトが多数振られる光景は、アイドルコンサートのような雰囲気も醸し出していた。街宣後、ラブ&ピースのポーズをして集合写真を撮っていた若者グループに声をかけると、公明党支持者だった。その一人の女性は「今回の解散はローランド解散と呼ばれている」と切り出し、次のような高市首相批判をした。

「ホストの帝王と呼ばれるタレントのローランドさんの名文句は『俺か、俺以外か』ですが、高市首相も『私か、私以外(野田代表あるいは斉藤代表)か』と言って850億円も解散・総選挙にかけて決めてくれと言っている。これは、国民よりも自分が大事だと証明しているように感じます。850億円もあれば、高額療養費の増額分を補えると岡本三成さんは言っていましたが、国のお金を正しく使える人に使ってもらいたいと心から思いました」

 高市首相が国会答弁を撤回・謝罪しない対中国強硬姿勢に対しても、先の女性はこう指摘した。

「高市政権が戦争に傾いていることに、現実的に捉えていない若者世代が多いと感じていて、そこに危機感を感じています」「私は中道支持者として、一人でも多くの友に語ったり、SNSを通じて知ってもらったり、動画を見てもらえるよう、自分にできる形で応援し続けようと思っています」

 若者世代の多くは高市支持と思っていたが、不支持の公明支持者が一定程度いるということだ。こうした若者が周囲に働きかければ、中道の支持拡大の一助となり、若者世代の支持率が極めて低い旧・立憲民主党の弱点を補う働きもする。新党結成が相乗効果をもたらすことになり、これもまた中道半減の世論調査を覆す一要因になる可能性があるのだ。

 公示直後から両党の連携ムードは始まっていた。新潟2区の菊田真紀子候補の集会では、公明党の笹川信子・三条市議が菊田氏のシンボルカラーの黄色のマフラーをして、次のようなエールを送った。

「これまで8期23年やられてきた菊田候補を全力で応援いたします。(拍手)比例は生活者を大事にする中道とお書きください。日本の政治の大きな転換期となるこの選挙、短期決戦で大勝利をしていきましょう」

 集会後、菊田氏に「長年、公明党と敵対していたのに何かすごい雰囲気が良かったのですが」と聞くと、菊田氏は次のように答えた。

「率直に正直に『お互いに悪口を言っていたわよね』と言って笑い合ったのですが、やっぱり今の本当に右傾化する行け行けドンドンで勇ましいことを言って国民を煽っていく高市政権に対する危機感というのは凄く共通、共有しているので、そこは同じ気持ちで戦えるのではないかと思います」

 この集会では、小川淳也前幹事長が菊田氏の応援に駆け付け、仏教史を振り返りながら、次のように中道の意味を解説する場面もあった。

「(来世での救済を訴えていた当時の仏教に対して)そこに立ち上がったのが日蓮聖人なのです。この間、香川の公明党にご挨拶に行った時、『私たちは日蓮聖人のことを日蓮大聖人と言いますよ』とお叱りをいただきました。現世の問題に目をつぶるべきではない。現世においてこそ、様々な矛盾、課題を解決してこそ、本当に仏の道ではないかということを説かれたわけです。(中略)
その精神と実践は少なからず、後の信仰の世界に社会の改革を訴える勢力へと受け継がれ、当時も戦前ですから、大変な弾圧、そして獄中で亡くなった指導者の方もいらっしゃった。そういう歴史を乗り越えて社会を良くしないといけない。そして、人々を救済しないといけない。
 このど真ん中の中道の道を歩むことで徹底した平和主義、徹底した平和主義を貫いていこうではありませんか。台湾有事とか煽る人がいますね。『日本国民よ、戦え。覚悟を持て』という人がいる。名前を出してはいけないけれど出します。特に麻生さん。あんた、一番に戦場に行きなさいよ。(拍手)いい加減にしろと。弄ぶのにも程がある。私は国民に戦う覚悟を求める政治ではなく、国民を戦わせない覚悟を政治家に求めたいと思っています。(中略)このど真ん中の中道の道を歩むことでまずは皆様、世界で脅かされている自由と民主主義をこの国で確固たるものにして行こうではありませんか」

 高市自民に対抗するべく、急速に連携を深める旧立憲と旧公明の候補者と支持者たち。選挙戦終盤となったが、ギアが入った公明支持者(学会員)のフル稼働で中道がどこまで盛り返し、高市自民の圧勝を阻止できるのか否かが注目される。

【ジャーナリスト/横田一】

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