全国賃貸管理ビジネス協会(以下、全管協)名誉会長・高橋誠一氏が、自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として、与党自民党と近い関係にあることを一連の記事で明らかにしてきた。
『全国組織・全管協を仕切る高橋誠一名誉会長とは(3)石破前首相との近さが示す影響力』では、全管協や職域支部である自民党ちんたい支部連合会のカウンターパートが「自民党賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連)」であることや、自民党議員のなかでも高橋氏と懇意の関係にあるのは議連会長を務める石破茂前首相であることを紹介した。
記事中では、石破政権発足から1週間後の2024年10月8日、石破首相が衆議院解散を宣言する前日に、石破首相と高橋氏が面会していたことにも言及した。
このように石破氏が高橋氏を厚遇していた理由は2つある。
莫大な自民党員票 石破氏は全管協の大会に出席
1つ目は莫大な自民党員票だ。総裁選で多くの業界団体が別の候補者を推したが、約4万人の党員(職域支部の党員数)を有し高橋氏が会長を務める「自民党ちんたい支部連合会」が石破氏の支援にまわったことが、石破総裁実現に大きな役割をはたしたとされる。
自民党を支持する団体は日本医師会をはじめ数多くあるが、その会合には主に団体が擁立した組織内議員らが参加することが多い。全管協の組織内議員は現在のところいないが、それに相当する議員は存在している。その1人が石破氏である。
全管協加盟企業の代表者A氏は「全管協の全国大会に高市さんや麻生さんは来たことがない」としたうえで、「代理をよこす議員が多いなかで、石破さんや菅さん本人が出席したのは驚いた」と述べ、「全管協として自民党員獲得に努めることが政治力を強め、高橋氏の顔づくりにもなったことは間違いない」と語った。
全管協がパーティー券を大量購入
2つ目は資金面での支援だ。取材を進めていくと、石破氏の政治資金パーティーのパーティー券を全管協が大量に購入していたことが判明した。
政治資金規正法により、政治資金パーティー券を企業・団体が購入することができるが、購入額が1回20万円(27年1月より5万円に引き下げられる)超の場合、購入者名が収支報告書に記載される。
政治資金収支報告書を確認すると、首相就任前の22年11月15日に東京・千代田区にあるホテルニューオータニ東京において開催された石破茂セミナーのパーティー券を、全国賃貸管理ビジネス協会が50万円購入している。代表者は高橋誠一氏である。
現在、総務省のホームページ上で確認できる石破氏の政治資金収支報告書によると、22年と23年にいずれも全管協が石破氏の政治資金パーティーのパーティー券を50万円購入している。政治資金パーティーのパーティー券の相場は2万円であるから、全管協の石破氏への期待の高さがうかがえる。
23年度のセミナーは、同年10月23日に22年度と同じくホテルニューオータニ東京で開催されているが、6月7日に開催された全管協定期総会において高橋氏は名誉会長に退き、副会長であった(株)三好不動産(福岡市中央区)の三好修氏が会長に就任しており、三好氏の名前が収支報告書に記載されている。
企業・団体は政党(支部)以外への献金が禁じられているが、パーティー券の購入は可能で、国会議員の重要な資金源となっている。自民党派閥の裏金事件の発端となった政治資金パーティーであるが、その後も購入規制の論議は進まなかった。当時、自民党総裁・首相であった石破氏も規制には消極的であった。裏を返せば石破氏にとって高橋氏はありがたいお客様なのだろう。
(つづく)
【近藤将勝】










