【BIS論壇】強まる日印関係

 NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
 今回は7月7日の記事を紹介する。

 筆者は愛知学院大学、東京経済大学、日本大学、日本経済大学などで長年「国際マーケティング論」を担当。「CHINDIA」世紀の到来を予言してきた。

 「CHINDIA」とは21世紀は前半が「中国の時代」、後半が「インドの時代」になる。従って日本としては国際経済、貿易戦略上、「中国」と「インド」を重視すべきだとの筆者が商社マン、大学教授時代に考え出した理論である。最近の共著『大転換する世界:「連欧連亜」という日本の生きる道~大米帝国の終焉から“パクス・アシアーナ”の時代へ~変わりゆく世界の中で日本が没落から再興に反転する道筋とは?』(進藤栄一ほか共編・花伝社刊)で筆者が「CHINDIA世紀の到来」の章(53p以降)で詳細に紹介している。興味ある方は同書を参考にしていただきたい。

 7月初め、高市早苗首相は中国経済が減速気味のなか、年6~7%の高成長を継続しているインドを訪問。モディ首相との初の首脳会談に臨んだ。この会談にはインドの発展とインド市場の重要性を認識している日本企業150社が同行。インド企業80社と半導体などの協力文書129件に調印。日印経済関係強化に貢献することになった。(日経7月3日)

 さらに日印は重要な次世代エネルギー開発分野で協力することに同意。2兆円の民間投資をすることになった。この結果「CHINDIA」のうちINDIAとの経済関係が飛躍的に強化されることが予想される。

 そのほかの主な日印首脳会談の合意事項は下記である。
(1)2兆円規模の 投資を含む129件の事業
(2)1,000基のバイオガスプラント整備
(3) インド石油備蓄強化への新対話
(4)日本がインドのIEA参加支持
(5)共同訓練や装備品協力推進
(6)外務・防衛担当閣僚協議の年内開催
(7)「ルールに基づいたインド太平洋」実現を共通目標に
(8)新幹線事業の重要性再確認

 とくにインド西南部のアーメダバード~ムンバイ間の新幹線プロジェクトはモディ首相出身地でもあり、日印協力の目玉とみなされている。事業費1兆8,000億円の8割は日本が政府開発援助(ODA)による円借款でまかなうとのことだ。インド政府は全国で7,000kmの高速鉄道網整備計画がある。新幹線技術で先行している日本企業は参加を本格的に検討する由。さらにインドへ約束した日本の2兆円規模の投資を今後半導体やバイオガスなど120件以上のプロジェクトに活用する見込みとのことだ。

 1970年代に5年間商社ニューデリー支店長として日印貿易に従事した者として日印経済、友好関係がさらに深まることを祈念する次第である。


<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)

 鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。

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