新戦力躍動 アビスパ福岡、セレッソ大阪を 3-0 で完封撃破

 8月15日、明治安田 J1 リーグ第2節、アビスパ福岡はホームのベスト電器スタジアムにセレッソ大阪を迎え、3-0で今季初勝利を飾った。開幕戦で惜敗し是が非でも白星が欲しいホーム連戦。福岡は前半に藤本一輝のゴールで口火を切ると、辻岡佑真の豪快ミドルで加点。後半には新エースのウェリック・ポポがダメ押し弾を決めた。復帰した守護神・永石拓海を中心に無失点で締めくくり、会心のゲームを演じた。

難敵打破と今季初勝利。完封劇がチームにもたらすたしかな自信

新戦力躍動 アビスパ福岡、セレッソ大阪を 3-0 で完封撃破

 アビスパ福岡が第2節にして今季初勝利をつかみ取った。直近の公式戦で黒星が続いていた難敵を相手に奪った3-0の完封劇は、単なる勝ち点3にとどまらず、新生アビスパの進化と確固たる自信を証明する一戦となった。

 真夏の熱気が色濃く残るベスト電器スタジアムは、曇り空ながら気温31度、湿度71%のタフなコンディション。しかし、詰めかけた1万1,659人のサポーターが送る熱いチャントが、選手たちの背中を力強く押し続けた。

 塚原真也監督のもとで挑んだ開幕のヴィッセル神戸戦では、シュート数で上回りながらセットプレーの一撃に沈み、0-1で惜敗。本拠地での連戦となる第2節は、上位進出に向けて何としても白星が欲しい舞台だった。互いに3-4-2-1を採用するミラーゲームのなか、局面ごとの球際の争いと組織の連動性が勝敗を分けるカギとなった。

周到なゲームプランと前線からのハードワーク

 キックオフ直後から、福岡は指揮官が綿密に準備してきた守備組織を展開した。ミドルゾーンに堅固な網を張りめぐらせ、奪いどころを定めて連動したプレッシャーをかける。相手の長いボールに対しても、3バック中央の三國ケネディエブスが抜群の制空権を発揮して起点を封殺。右CBの岡哲平も鋭い出足で前を向かせない。

 中盤ではキャプテンマークを巻く見木友哉と、J1 初先発の前田快がダブルボランチとして躍動。前田はセカンドボールの回収に加え、飛距離のあるロングスローで好機を演出する。副キャプテンの橋本悠も高精度のキックで左右に広くパスを散らし、主導権を引き寄せた。

 シャドーの重見柾斗と移籍後初スタメンの師岡柊生も労を惜しまず走り続ける。師岡は前線から2度、3度としつこく追い回してボールを奪い取り、最前線のウェリック・ポポは相手を背負って前を向くポストプレーで前進の起点となった。

均衡を破った藤本の一撃と、辻岡の圧巻ミドルシュート

 均衡が崩れたのは前半35分だった。左サイド深くでボールを握った藤本一輝が独特のリズムで仕掛け、ペナルティエリア付近を切り裂く。藤本は見木に預けた後も足を止めず、鋭くゴール前へ動き直した。

 見木のパスを受けたポポがエリア内へラストパスを送ると、師岡が右足で枠内シュート。相手GKに阻まれたこぼれ球にいち早く詰めたのが藤本だった。冷静に右足でゴール左隅へ押し込み、長いVARチェックの末にゴールが認められて先制。待望の今季チーム初得点にスタジアムが沸き立った。

 勢いは止まらない。前半43分、再び藤本が左サイドを果敢に突破してクロスを供給。相手DFにクリアされた球に反応したのが、スリーバック左の辻岡佑真だった。ペナルティエリア手前から逆足の右足を振り抜くと、鋭い弾道がゴール上部に突き刺さる。辻岡の J1 初ゴールとなる鮮烈なミドルで、2-0 とリードを広げて前半を折り返した。

守備陣の粘りと、ポポが仕留めた電光石火のカウンター

 後半、反撃に出る相手に対し、福岡は集中力を研ぎ澄ませて立ち向かった。クロスを浴びる場面でも最終ラインが体を張って跳ね返す。塚原監督は後半17分に深澤大輝、22分に碓井聖生と椎橋慧也を投入し、運動量と強度を維持した。左ウイングバックに入った深澤は対人守備でサイドを締め、安定感をもたらす。

 そして後半28分、決定的な3点目が生まれた。自陣深くで深澤が体を張ってボールを奪うと、素早く前線へ絶妙なスルーパスを通す。鋭く背後へ抜け出したポポは完璧なファーストタッチで前へ持ち運び、飛び出してきた相手守護神を冷静にかわして左足で無人のゴールへ流し込んだ。

 新戦力同士の阿吽の呼吸から生まれた鮮やかなカウンターで 3-0 とし、勝負の行方を決定づけた。

最後方からチームを引き締めた GK 永石拓海の存在感

 3 点リードの後も守備陣の集中が途切れることはなかった。その中心にいたのが、期限付き移籍から復帰した守護神・永石拓海だ。試合を通じて最後方から絶え間なく声を張り上げ、味方を鼓舞してディフェンスラインを統率。終盤には途中出場の奈良竜樹が体を投げ出してシュートをブロックするなど、全員でゴールを死守。昨季わずか2試合にとどまったクリーンシートを第 2 節にして成し遂げた。

 試合後、永石は熱く語った。

「福岡に戻ってきた時からこの光景だけを思い描いてきたので、形になって嬉しいです。キーパーにとって無失点は最大の仕事。3-1で勝ってもモヤモヤが残る。堅守と呼ばれるクラブになるためには甘さを捨てなければいけないし、自分の熱量をチームの基準にしていきたい」

 そのプロフェッショナルな姿勢が、チームに強いメンタリティをもたらしている。

塚原監督が見いだした手応えと、新旧戦力の融合

新戦力躍動 アビスパ福岡、セレッソ大阪を 3-0 で完封撃破

 自身の J1 初勝利を飾った塚原真也監督も、納得の表情を浮かべた。

「ホームで勝てたことが非常に嬉しいですし、3得点だけでなく無失点で終えられたことも良かったです。1 点目の崩しも狙っていたかたちでしたし、2 点目の辻岡のシュートに至るプロセスも良かった。カウンターからの3点目もポポらしさが出ました。コーチングスタッフ陣と積み上げてきたプランを選手たちがしっかりピッチで体現してくれました」

 今季の福岡の強みは、新戦力と既存戦力の融合スピードの速さにある。新戦力と既存の選手が噛み合い、高いシナジーを生み出している。

 ポポが「ホームで勝つことは当たり前の基準。次はアウェーでも勝ち点を持ち帰る」と力強く語ったように、視線は次なる戦いへ向けられている。強固な守備規律と鋭いアタックを手に入れた蜂軍団の航海に、大きな期待が高まる。

【森田みき】

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