TOTO、国内販売8社を1社に統合 半導体事業は成長も、国内住設は構造改革へ

 TOTO(株)(北九州市小倉北区、田村信也社長)は、2027年4月1日付で国内の販売グループ会社8社を1社に統合する。TOTOエムテック(株)を引継ぎ会社とし、新商号を「TOTOアクアマーケティング(株)」とする。地域別に分かれていた販売体制を全国1社に集約し、需要に応じて人員などの経営資源を機動的に投入するとともに、バックオフィス機能の集約による生産性向上を図る。

 統合対象は、TOTO北海道販売、TOTO東北販売、TOTO中部販売、TOTOエムテック、TOTO関西販売、TOTO中国販売、TOTO四国販売、TOTO九州販売の8社。これまで地域ごとに置いていた販売会社を一本化する大規模な営業体制の再編となる。

国内住設、第1四半期の利益率は0.6%

 背景にあるのが、国内住宅設備市場の構造変化と収益性の低下だ。新築住宅着工の減少でストック型社会への移行が進む一方、リモデル需要は都市部や建物用途などによって偏在するようになっている。TOTOは今回の統合について、全国を俯瞰して必要な経営資源を適時適切に集中投入する必要があると説明している。外部調達コストの高騰などを背景に、日本住設事業の営業利益率が漸減していることも再編理由に挙げた。

 直近の業績にも、その課題が表れている。27年3月期第1四半期(26年4~6月)の連結売上高は前年同期比1.7%増の1,686億1,100万円。一方、営業利益は同1.6%減の80億7,300万円となった。日本住設事業は売上高1,055億8,800万円で同2.6%減、営業利益は6億2,800万円と同46.0%減少した。営業利益率はわずか0.6%にとどまった。

 TOTOは日本住設事業を、グループを支える「ベースセグメント」と位置付けている。新築需要の縮小や原材料費、人件費の上昇が続くなか、田村社長は抜本的な構造改革を進め、2030年度に同事業の営業利益率8%以上を目指す方針を示している。地域ごとの販売法人を全国1社へ集約する今回の再編は、そうした「強固な収益基盤」への転換を具体化する施策の1つとみられる。

半導体関連が利益の大半を稼ぐ構造に

 一方、TOTOの収益構造で存在感を急速に高めているのが、半導体製造装置向け部材を手がけるセラミック事業だ。同じ第1四半期で、セラミックを中心とする新領域事業の売上高は159億7,800万円と前年同期比5.8%増。営業利益は65億900万円と同10.0%増え、営業利益率は40.7%に達した。売上高は日本住設事業の7分の1程度だが、全社営業利益80億7,300万円に対し、新領域事業の営業利益は単純比較で約8割に相当する。

 この傾向は前期から鮮明だった。26年3月期のセラミック事業は売上高674億1,400万円、セグメント利益289億4,300万円。全社売上高7,374億4,100万円の1割弱にすぎない一方、連結営業利益537億5,900万円の過半に相当する利益を稼いだ。

 TOTOはセラミック事業を「成長セグメント」と位置付け、AI半導体やデータセンター向け需要の拡大を取り込む。28年度までに茅ヶ崎、中津、豊前の3拠点で約300億円の投資を決定しており、茅ヶ崎工場では約170億円を投じて研究開発棟を新設する。さらなる大規模投資も構想している。

「成長」と「効率化」を同時に

 TOTOが今回、販売会社統合を半導体事業への資金シフトと直接結び付けて説明しているわけではない。ただ、グループ全体では、セラミック事業を成長分野として積極投資する一方、日本住設事業では収益体質の改善を急ぐという役割分担が明確になっている。中長期経営計画でもセラミック事業を「成長セグメント」、日本住設事業をグループを下支えする「ベースセグメント」と位置付ける。

 半導体関連が新たな利益の柱へ成長するなか、祖業であり売上規模では依然として最大の国内住設事業をどう効率化し、安定して利益を稼ぐ事業へ変えるか。販売8社の統合は、TOTOの収益構造が変わるなかで進む事業ポートフォリオ再構築の一端といえそうだ。

【寺村朋輝】

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