CTF決勝大会で遠藤五輪担当大臣が開会挨拶!
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大会に出場する学生をもっと増やしたい
1月30日(土)~31日(日)の2日間、東京電機大学(東京都足立区)で日本における最大規模のCTF大会「SECCON 2015決勝大会」(竹迫良範 実行委員長)が開催された。(注)
今年の特徴は日本国内の学生チームを対象とした「intercollege決勝大会(学生大会)」(30日)と「international決勝大会(国際大会)」(31日)の2つに分けたことにある。これに先立ち、15年の6月9日に行われた「SECCON2015」開催記者会見で竹迫実行委員長は「学生限定」枠を設けることを公表している。その理由は「1つは大会に出場する学生をもっと増やしたいこと」、「もう1つは、高いハッキング能力を持った学生に将来のキャリアパスを早くからイメージさせたいこと」と語っていた。今回、連携大会を含む国内予選のうち、3つの大会((1)白浜危機管理コンテスト<連携大会>、(2)SECCON福島大会「サイバー甲子園(18歳以下)」、(3)SECCON九州大会)が学生限定になった。
将来的にはセキュリティの道に進みたい
1日目の「intercollege決勝大会(学生大会)」には予選を勝ち抜いた18チームが出場した。4時間の熱戦を制し優勝、文部科学大臣賞を手にしたのは、SANS NetWars Tournament 2015(連携大会)の優勝チーム「dodododo」である。第2位はチーム「0x0」(予選オンラインで第1位)、第3位はチーム「MMA」(SECCON2015九州大会優勝)という結果であった。
優勝チーム「dodododo」は筑波大学生2名と北海道の大学と高専生の計4名の混成チームである。筑波大学2年というメンバーに、セキュリティの勉強などについて聞いた。「セキュリティの勉強を始めたのは、高校生からです。しかし、コンピューターのプログラミングには小さい頃から興味があり、中学生ぐらいから勉強をしています。大学院に進学する予定ですが、将来的にはセキュリティの道に進みたいと考えています。どちらかと言うと研究部門より、今運用されているサービスの脆弱性を発見したりすることに興味があります」という答えが返ってきた。主催者であるSECCON実行委員会(日本ネットワークセキュリティ協会)が発掘・育成を目指しているセキュリティエンジニアは、日本でも確実に育ちつつあるのではないかと感じた。
圧倒的に強い、韓国、台湾、米国チーム
2日目には「international決勝大会(国際大会)」が開催、世界65カ国、累計3,343名の中から各予選を勝ち抜いた日本の8チームと米国、韓国、台湾、ロシア、ベトナム、タイから10チームが参加、世界レベルのハッキング対決が行われた。
5.5時間の死闘を征し優勝したのは、韓国チーム「Cykorkinesis」である。第2位は台湾チーム「217」、第3位は米国チーム「Shellphish」であった。チーム名は違うが、国別順位は「SECCON2014決勝大会(国際大会)」と全く同じであった。日本チームは昨年同様第4位(チーム「katagaitai」)という結果であった。優勝チームはラスベガスで開催されるDEFCON CTF2016 finalsのチケットを手にした。
遠藤利明五輪担当大臣が視察、開会挨拶
日本政府関係者のSECCON CTFへの関心はとても高い。今回も高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部、サイバーセキュリティ戦略本部、警察庁、総務省、公安調査庁、外務省、文部科学省、経済産業省、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)、一般社団法人 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)、一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)が後援、協賛民間団体は昨年より増え26社に上った。
1日目の「intercollege決勝大会(学生大会)」の表彰式では、大学・高専などの理工系教育を管轄する文部科学省高等教育局専門教育課の北山浩士課長が挨拶、参加にエールを送った。
2日目の「international決勝大会(国際大会)」には、遠藤利明五輪担当大臣が視察に訪れ、開会式で、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックの一番の成功条件は、会期中を通して“安全や安心”が確保されることにあります。物理的なテロより、サイバーテロに危機感を抱いており、その攻撃を退ける人材確保が、今国として重要な課題になっています。皆さん方の能力がさらに向上し、国に大きく貢献して頂けることを期待したい」と挨拶した。
“友利奈緒”が文部科学大臣賞を受賞!
今回の「SECCON2015決勝大会」は昨年より、運営手法、内容とも充実していた。また各賞も増え、国内大会では審査員特別賞(チーム「m1z0re」)、国際大会では文部科学大臣賞(チーム「TomoriNao」の生徒会長)、審査員特別賞(チーム「katagaitai」のaskn)などが設けられた。
2日間を通じて、競技会、懇親会で人気をさらったのは、TVアニメ『Charlotte』のキャラクター・コスプレで、文部科学大臣賞を受賞したチーム「TomoriNao」である。セキュリティ世界と漫画・アニメ世界とのコラボである。ただし、受賞理由は純粋にその優秀さによるもので、コスプレとは関係がないという主催者のコメントが付けられている。国際大会の設問は6種類用意され、その3番目の設問(難問)を唯一解いたのがチーム「TomoriNao」であった。
【金木 亮憲】
(注)CTF:旗取り合戦競技(Capture The Flag)のことで、セキュリティ技術を争うコンテストの総称。IT技術に関する総合的な問題解決力を磨く上での最適な競技と言われる。
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